2016年8月29日月曜日

世界の常識

このところ台風に翻弄され続けているような天気で、精神状態すらおかしくなりそうな東京の陽気だ。その影響でもあるまいが、総理はアフリカくんだりまで出かけて、お金をばらまく約束をしている。安倍家のお金ならいいだろうが、納税者としては本当に勘弁してもらいたい。このことについてもネット上では悪評サクサクだから、ここで触れるのはよしておこう。

先週のことになるが、どこかのテレビ局が政府の駆け付け警護の訓練を開始にあたり、専門家二人の意見を聞く企画があった。一人は髭の隊長さんこと自民党参議院議員佐藤正久氏、対するは現在はどこかの大学で教鞭をとる民間人だが嘗ては国連平和維持活動(PKO)の経験がある伊勢崎賢治氏。

二人の話は殆ど噛み合っていないと言える。佐藤氏はこれで自衛隊も国際貢献ができると胸を張るが、伊勢崎氏は自衛隊のままいくら派遣しようが、他国軍隊のお荷物が増えるだけで何の貢献にもならない。伊勢崎氏に言わせれば、駆付け警護なんて言葉も自衛隊独自のものらしい。PKOとして派遣されている施設部隊員も本来であれば襲撃されたら反撃しなければならない。しかし自衛隊の場合は反撃は歩兵の仕事で、施設部隊は反撃する武器すら持っていない。

自衛隊施設部隊が襲撃されてSOSを発信すると、先ず駆け付けるのは地元の警察、続いて国連軍の歩兵部隊が応援に来る仕掛けになっているとのこと。自衛隊の歩兵部隊が来るのはその後になる筈で、実際に自衛隊の歩兵部隊が役立つなんてことにはならぬだろう。要するに軍隊でない自衛隊が危険極まりない南スーダンで道路修理をするなんてこと自体が間違いだそうだ。

南スーダンは既に内戦状態として世界中が認めている。そこに派遣されているPKO部隊の殆どが、お金が入るので危険を承知で派遣している近隣諸国である。そんな場所に自衛隊を派遣しなくても、国連平和維持活動にはもっと日本にふさわしい仕事はたくさんある。佐藤氏は国連平和維持部隊の交戦規程Rules of Engagement(ROE)が新しくなって、施設部隊でも反撃でいるようになっていたことを知らなかったようだ。

否、知っていたかもしれぬが、それでは南スーダンに施設部隊を派遣できないのでとぼけたのかもしれぬ。

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