2016年7月24日日曜日

無法者の決まり文句「法と秩序」

アメリカの大統領選挙で共和党の候補者に推されたドナルド・トランプ氏。日本のメディアは、ご丁寧に「政治経験皆無の元泡沫候補者」と注釈付きで報道している。余程嫌われ者らしいが、彼は共和党大会の大統領選立候補者の受諾演説で「法と秩序」を繰り返し訴えたらしい。「法と秩序」は政治経験豊かな我が安倍総理もお好きな言葉だ。彼の場合は最近中国に向けて好んで使い、南シナ海における中国の行動を牽制している。(つもりらしい)

中國はこれを不愉快に思って「南シナ海とお前に何の関係がるのだ、余計なことを言うな。」と怒っているようだ。日本では最近中国に肩入れする人は少ない。こっちも肩入れするつもりもないが、70年一寸前までは我が日本があっちの海を全面的に支配してたことを思うと複雑な気分でもある。昭和18年には我が父もあっちに行き、昭和22年まで帰ってこなかった。法と秩序を無視した国家のお先棒を担いだことに他ならない。

父は生きて帰ってきたので幸いだったし、もうすっかり戦争のことなどは忘れてしまっている。さもなければアメリカ大統領選挙のことなんか呑気に書く気にならないだろう。民主的な世界を構築するためには「法と秩序」を守ることが大切であることは分かる。しかし、沖縄の人達は未だ戦中、戦後の苦労から抜け出すことが出来ていない。彼らは法と秩序に守られているのだろうか?

政府は選挙が終わったとたん、沖縄に対して何か非常に強権的な態度に出ている。用いている手段は警察力だったり、司法への訴えだったりするから「法と秩序」に基づいているつもりだろう。法と秩序に基づけば民意は無視できるとの考えらしいが、どこかに大きな間違いがあるとおもう。昨日の朝日新聞朝刊にアメリカ人のマイケル・オハンセン氏(ブルッキングス研究所・上級研究員)が辺野古問題について書いていた。

曰く、大方の日米政治家は辺野古以外の選択肢はないと言うが、間違っている。沖縄駐在の海兵隊を分散させて有事対応をする方法は他にいくらでも考えられる。アメリカには、こういうことを平気で言う人間のいるシンクタンクが沢山あるようで羨ましい。多様性を維持できなければ秩序も何も無いのと一緒だ。

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