2016年7月22日金曜日

先祖・先輩を思う

終日雨模様だったので、珍しく外出せずに事務所で過ごしてしまった。結果的には殆ど古い本を読んでいたことになる。全部で3冊になるが、どれも中途半端な読み方になっている。1冊だけは上中下3部作の上巻をやっと読み終えた。この本は昭和49年10月発行のもので、アマゾンでやっと入手できたもの。著者は大正末期から戦後にかけ活躍した有名なジャーナリスト松本重治氏、書名は「上海時代」。現代すっかり険悪になっている日中関係をはじめとして、戦前から戦後にかけての日欧米の外交、特に戦前は軍部を抱えた内政面の矛盾を知ることが出来る。

読んでいても確かに面白いが残り2冊を読破するにはなお相当の時間が掛かりそうだ。当分は下らない本を買わずに済みそうなので有り難いと言えば有り難い。1冊読み終えたので、一息つくつもりで、何年も書棚の隅にあって手にしていなかった古い本を2冊取り出してみた。1冊を手に取って表紙を開くと、見返しに「謹呈」我が本名○○へ、とあって父の名前が書いてある。父が亡くなったのはもう20年も前のこと。この本の発行はそれを更に遡る昭和58年11月の自家出版本「くらべ杖」―俳人小林葛古ーである。

父のサインの横に「注」とあって次のように記されている。「小林葛古翁は<父の名前>の母梅代の生家の祖先」父方の祖母は父が未だ南方で抑留されていた時に亡くなって、母と一緒にお葬式に行ったことは覚えているが、名前までは知らなかった。序ながら父方の祖父は小生が生まれた時には既に他界されていたようだ。従って何となく父方の先祖については馴染みが薄かったので、はからずも祖母の名前を知っただけでも有意義だったと思う。

もう1冊も大正14年生まれの方の自家出版本で、未だ存命ではあるがすっかり無沙汰を重ねている人の自分史的な読み物である。現代の世相が余りにも下らないので、先祖や先輩のことに思いを馳せてから現代社会を見直すことにも意味がありそうだ。

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