2016年5月18日水曜日

マスコミの着眼点

昨日の夕刊から昨夜のテレビをはじめ今朝にかけて最大のニュースが、元野球選手清原和博の裁判に関するものである。このマスメディアの姿勢は少しおかしくはないか。スポーツの世界から落ちこぼれたおっさんがシャブ中患者になって捕まり、やっと裁判になっただけのことだ。報道することにどれほどの意味がるのだろう。誰かがコメントしていたが、メディアが取り上げること自体本人を甘やかすだけで、視聴者には何の意味が無い。むしろ青少年にとっては碌な影響を与えないだろう。一度スターになれば多少落ちぶれてもこれほどまでに騒がれるとか、彼が頼ったものであればどれほどの効果があるかと興味も沸く。判決で死刑ぐらいの極刑でも下されたなら子供には見せしめになるかもしれぬ。

一方冴えない国会では月火の2日間だけであるが、曲がりなりにも予算委員会が開かれている。その中でマスコミが取り上げて国民に訴えるべき重要な問題もあった。例えば昨日参議院で質問に立った民進党福山哲郎氏が、昨年の安保法制締めくくり予算委員会で採決が無いまま賛成多数で成立してしまっている点について質している。これは昨夜のテレビ朝日「報道ステーション」で知ったので今日になってネットで確認した。総理は例によって議会のことだから俺は知らぬと言い、参議院事務局長が木っ端で鼻をくくるような答弁に終始して、福山氏が無効を唱える理由もよく理解できる。

一方その前日衆議院では「山尾さん議会の運営を勉強してくださいよ。議会では私は立法府の長ですよ」と言ったらしい。これはネットで見ただけなので確認していないがネットにはこう記されている。「ありゃ!安倍晋三さんは、行政府の長、立法府の長兼任しているらしい。」他に昨日の参議院の質疑を聞いていると、九州の復旧復興関連予算審議なので、野党側から関連して要望や参考意見が提示されるが、これへの返事、対応が驚くほどそっけない。特に担当大臣になっている河野太郎氏の態度が全くなっていない。某所で耳にしたが、彼については党内でもとても任に当たらせられない、と断ずる向きがあるそうだ。

そのせいかどうか、兎に角ふて腐っているようにしか見えない。マスコミ各社はそれぞれ担当が張り付いて現場を見ている筈だ。それらのニュースがデスクに上がらぬ筈はないだろうに、清原裁判の次に持ってくるセンスを疑わざるを得ない。市民のための報道なのか、権力に阿る報道なのかである。パナマ文書に加藤一億層活躍担当相の奥さん名が記載されている事実、オリンピック組織委員会の裏金問題、何れも政治ネタではなくて社会ネタかもしれぬが、どれをとっても清原裁判より遥かに重要な問題であろう。

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