2016年4月2日土曜日

テレビ番組改変期

昨日の4月1日からテレビの番組編成で変わったものが幾つかある。中で注目するのはテレビ朝日系の「報道ステーション」のキャスター古館伊知郎氏が降板すると同時にゲスト解説者も大幅に変わって11日からの新番組になるとのこと。テレビ東京系「田勢康弘の週刊ニュース新書」はタイトルにキャスターの名前が挿入されているので番組自体が廃止される。放送時間には寝入っているので普段見たことはないがTBS系「ニュース23」のキャスター膳場貴子さんとレギュラー解説者岸井成格氏も降板。NHK「クローズアップ現代」は長年キャスターを務めた国谷裕子さんが先月半ばで既に降板している。

いなくなるメンバーは、一様に安倍政権に対して大分批判的なところがあったようなので、惜しいようにも思う。去っていく人が口を揃えたように言うのは「そこそこお伝えしたいことは言わせて頂いたが、立場上十分だったとは言いがたい。」そりゃそうだろう、彼らとて会社の宮仕えであれば、思いの丈を存分に喋れるはずはない。そもそもテレビ局、即ち放送会社は全て国からの免許事業、一種の利権企業だから国家に逆らえないのは自明のこと。

経歴を詐称するような総務大臣が偉そうに言わなくても、会社には政権に対して盾突く気持なんかはなから持ち合わせていないだろう。そこでものは考えようだ。視聴者であるこちらにしても、同じ人間の考え方は何回か聞けば大体分かってしまう。従って視聴者に強い影響力を持つようなキャスターや解説者ほど頻繁に変わってもらった方が有り難いと思うのだ。後期高齢者ともなれば脳みそが固まって意見を変えるのが難しいかもしれぬが、やはり様々な意見に接することが大事なことだと思う。

そうすれば、ある日突然目覚めることがあるかもしれない。我が国の特徴に空気の支配があるとのこと。来週にでも読後感を上げようと思っている本を読んで思い知った。社会全体が縦糸重視になっているために、上位者の意向を忖度して、その社会を維持していくために不都合な意見を無視したり、不都合な事実を無いことにしてしまうことになりがちだそうだ。確かに思い当たる意見だ。
その弊害を除くためには、何といっても意見の多様性が必要なことは言うまでもない。

放送局に意見の多様性を求めるには、出演者の数をできるだけ多くすることしか方法はあるまい。どんな問題についても、出てくる人間が賛成派も反対派もいつも同じでは、田舎芝居の見物と同じで面白くでもない。放送から少し離れて新聞なんかも含め言うと、昔は外国通信社の記事がよく掲載されていたが、最近殆ど見なくなった。どうも日本の情報社会はガラパゴス化しているらしい。新聞テレビに出てくる外国人も定型化している感が否めない。外国人記者クラブの討論会などををネットで観ていると、外国記者の質問は日本人記者は絶対聞かないだろうと思う質問が出てくる。こんな時は日本のマスコミのありようについて随分考えさせらる。

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