2016年3月22日火曜日

馬鹿にするな!

今さら、来年4月に約束していた消費税率引き上げをしようとしまいと、誰もびっくりしないだろう。この人から嘘を聞くのはそれほど当たり前になっている。問題は税率引き上げを再延期するには相当な手続きとコストが掛かることかもしれない。一昨年の11月暮れの忙しいさなかに総選挙を持ち込んだ際、総理は格好をつけて次のように言っている。

「来年10月の引き上げを18ヵ月延期し、そして18ヵ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年(17年)4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。」なんでそこまで芝居じみた言い方をしなければ気が済まぬのか、相当賢い人でも、先のことについては断定的な物言いはしない。

政治家たるもの、言葉に対して責任を持つことについては、ただでさえ人一倍神経を使うはずだが、この人の神経には全くその種の回路が無い。先ず一昨年の総選挙を盛り上げるため、否、与党を有利に導くためにだろうが「景気判断条項を付すことなく」の一言を態々挿入している。このために増税再延期に関して、やや複雑な法律を再び作らなくてはならないらしい。

これは官僚や政治家が苦労すれば済むことで、こちらには関係ないようにも思うのは間違い。この手続きに費やされる人員の時間と経費は莫大になるとのこと。もちろん税金が壮大に無駄となる。おまけに選挙と来た日には、多くの国民にどれほど時間とお金を掛けさせることになるかは推して知るべしだろう。他にもこの独りよがりのパフォーマンス(小芝居)を打つために、海外から著名な経済学者を招聘して会議を5回も開くとは何事だ。

同じように著名な経済学者にお墨付きを貰い、自ら声高に叫んだ経済政策とやらが、間違っていた、或いは幻だったことを異なる学者に証明させてどうするのだ。誰の言うことも理解できていないことの証明そのものではないか。先のことなので断言できないが、日本の総理が経済政策の失敗を認めざるを得なくなれば、まさにその時こそ日本が、「世界経済の大幅な収縮」の発信地もなりかねない気がする。総理は、従来の「リーマン・ショック級、大震災級の大きな出来事がない限り、引き上げる」との表現を微妙に変えて「世界経済の大幅な収縮」を条件に挙げ始めているそうだが、笑い話になりかねない。

現役時代に、社員の中に嘘をつくのが上手いというべきか、平気な奴がいて苦労した経験がある。その時に同僚から教わったのが「虚言癖」についてだ。これは一種の病気とのこと。国民を馬鹿にするなと言いたいが、病気であっても仕方ないでは済まされない。傍が迷惑するのは大問題である。

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