2016年3月23日水曜日

防衛大学校卒業式

昨日だったか一昨日だったか防衛大学校の卒業式だったようだ。卒業の身体頑健は言うまでもない、また頭脳明晰も間違いないだろう。卒業までの4年間で学生一人当たり500万円近い国費が投入されているようだ。本人はさることながら親御さんにはとってこんな素晴らしい大学(文科省管轄でないので正式には大学校)はない。さぞ誇らしく思われることだろう。大昔可愛がってくれた祖母が入学を勧めてくれたし、個人的な憧れもあったが、身体は何とかなるにしても学力が平均以下では期待に応えようがなかった。

400人強の卒業生のうち、自衛隊に任官しない生徒が1割強いたことが世間を騒がせている。理由が面白い。まず総理閣下の指摘は「アベノミクス効果で民間企業の業績が回復して、魅力的な採用条件を提示する企業が増えていることの証明」一般的に言われるものは、昨年の安保法制改訂で、海外派遣の危険が増大したことに対する嫌気。これはあまり的を射ているとは思えないが、なるほど思ったのは、ある卒業生の親御さんが元外交官の天木直人氏メルマガ宛てに送ったメールに書いてあったこと。「自衛隊内部のいじめが深刻で、まともな者が逃げ出しているという。」

逃げ出した者がまともかどうかは別として、百年以上前から相も変わらず軍隊教育とは変わらぬものらしいことが想像できる。昔で言えばお侍さんや高級軍人さんだから、飛び切りのエリートを国費で養成するのは理解できる。一方で卒業時に目的としていた自衛隊への任官を拒否するのも個人の自由でもある。しかし、この時その人に投じられた国費は弁償義務があるのだろうか?弁償については聞いたことがないので多分無いのだろう。

少し妬みっぽいことになるかもしれぬが、果たしてこのことはどうなんだろう?確かに授業料分くらいは、一般の奨学金並みに月賦でも返済を求めるほうが自然かもしれない。日本の国立大学の奨学金制度は、奨学金ローンと揶揄されるほど返済条件が厳しいそうだ。数か月前に婆さんに突き付けられて、奨学金の無利子を求める団体の署名に協力したことを思い出した。

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