2015年12月3日木曜日

民主国家と言えるか

沖縄普天間基地の辺野古への移設を巡って、政府と沖縄県知事が熾烈な闘争を繰り広げている。政府は一方で地方創生とか地方自治の尊重とお題目を声高に唱えながら、選挙で選ばれた県知事が打ち出した施策を無効にするために、知事の権限を取り上げる裁判に打って出た。裁判なれば公平だと言うなら、選挙は何のためにやるのだろう?第一、司法の世界も高級官僚が裁判官を裏で操っているので、行政と一体化しているのは周知の事実。翁長知事側の勝ち目は薄い。

約1か月前に実施されたミャンマーの選挙は野党が圧勝したそうだが、選挙で勝ってもアウンサンスーチー党首の思い通りにはいかず、相変わらず裏で軍が政治を仕切る仕組みだそうだ。これは半世紀以上、非民主国家として世界中から制裁を受けていた国であるから仕方ない。我が日本は諸外国から非民主国家と認定されてはいないようだが、非民主度はミャンマーと変るところが無いとも言える。てなことを考えると、お上の姿勢「寄らしむべし、知らしむべからず」は江戸時代の封建制をそっくり復活させているとも言える。

報道では一応内容にも触れたような恰好を付けてはいるが、大筋合意を見たと言うTPPなるもの正体を具体的に認識できている国民はどれほどいるのか?国会議員でさえ十分に分からないのだから、庶民が己の生活にどんな影響が及ぶか、分かりっこない。まして、国家的な利害得失なんかについては、誰も本気で考えてもいないのかもしれぬ。序でに言えば、これもお上が勝手に決めた「集団的自衛権」の行使容認、これも同じで国民に対しては説明が無いに等しい。また、マスコミも政府に対して厳しく説明も求めず、下げ渡された情報をばら撒いてるに過ぎないとも言える。

こんなことを書いたのは、ニューヨーク・タイムズ東京支局長 マーティン・ファクラー氏と言う人が次のように言っているのを知ったからだ。『僕が感じているのは、社会での議論がないということです。TPPは、アメリカにとっては、安全保障面の意味が大きいのです。一方、日本にとってTPPがどういう意味があるかということが、今いち分かりません。まずみんなで、TPPが本当に必要であるかどうか、社会で議論すべきです。TPPも集団的自衛権も、普通の人にとっては訳がわからない用語だということです。「TPPってなんですか」と。「集団的自衛権」というのも、表現が矛盾しています。集と自ですからね。』

アメリカのジャーナリストにこうまで言われては、日本のジャーナリストは恥ずかしいだろう。

沖縄の基地問題から少し話が逸れてしまったので話を戻そう。そもそも日本の在日米軍基地は何のためにあるのか。マスコミは書かないが、日本の米軍基地はアメリカの世界戦略上(要するにアメリカ自国防衛上)非常に重要な意味があるので、決して日本を防衛するためのものではないことははっきりしている。従って、現在普天間に置かれている海兵隊基地が辺野古でなくてはならない理由は、単に日本の国内問題である。アメリカから見れば日本に基地のあることが大事で、沖縄県だろうと長崎県だろうと、山口県だろうと関係ないのは自明のことらしい。

前にも書いたが、在日米軍基地について改めて書いておく。
我が国に存在する在日米軍施設数は131施設・区域で306,226 千㎡に上るそうだが、このやく75%の226,233 千㎡が沖縄県に存在している。アメリカに統治を委任している非民主国家と思えば腹も立たぬか。

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