2015年10月8日木曜日

北信濃の秋

一昨日から昨日にかけて故郷長野に墓参りに行ってきた。本来そんなに殊勝な人間ではないが、余りご無沙汰してしまうと近い将来自分も入れてもらう段になった時に、少し具合が悪いのではないかと弱気になるのも年の所為だろう。今年は春秋のお彼岸もお盆もサボっていたので、やっと肩の荷が下りた。東京からバスで長野に行き、いつものことながら弟にに同行してもらった。秋のお彼岸から間が無い時期でもあったので、お墓は綺麗になっており、箒も一応持参したが使うまでもなかった。

素晴らしい秋晴れの中で墓前に線香をあげて佇むむと、こちらまで気持ちが鎮まる思いだ。翌日の昨日は弟夫婦に孫二人(市内の小学校が丁度休校日になっていた)と山歩きを何度一緒した従妹の6人で、志賀高原の紅葉を訪ねた。前日同様朝から快晴で、紅葉も志賀高原の中心丸池付近から上は真っ盛り。楓やナナカマド或いは漆の類が少ないのだろう、朱色はそんなに目立たず、どちらかと言えば樺類の黄色が鮮やかだ。


何よりも空気がひんやりとして何とも言えない心地よさである。所々で車を止めてもらって写真を撮る。車を止めるようなポイントの近くにはお年寄りカメラマンが大勢カメラを構えている。こちらは馬鹿ちょんカメラで素早くシャッターを切るが、飽く迄も恰好付けだけ。適当なので、後で見ても感激するように写っていないことは先刻承知のことだ。兎に角今この場所でこの空気を吸うことを満喫するのみである。

現在の志賀高原は子供の頃とは大変な様変わりで、標高2100m迄国道が整備されて車で登れてしまう。更にそこからリフトで志賀高原の最高地点2300mの横手山々頂まで誰でも行ける。大昔であれば多少苦さ々々を感じたかもしれぬが、今は有難く感ずるばかりだ。総理閣下が1億総活躍なんて号令を掛けられても、小生同様活躍できない老人が多いのだろう。平日にも拘らず結構な人出でもある。

2300mの山頂からの景色は何とも言えない。近くの紅葉もさりながら、遥かに遠く薄紫に浮かぶ山脈は最高だった。冬場だと西方の笠岳や北アルプスが見事なのだが、今回はそっちに雲がかかっていた代わりに南が格別で、八ヶ岳や煙たなびく浅間山、更にその奥に富士山が見えたのは感激で、この世の名残か冥途の土産としても良いくらいだ。一応簡単な防寒具は用意していたが、気温が4℃しかないので余りゆっくりもしていられない。


まだ12時前であったが、早々に山頂ヒュッテに駆け込んで名物の暖かいボルシチとパンでの昼食。ご主人が学生時代からの友人でもあるので、そんなに混んでる訳でもないのに奥の部屋を開けてくれて招き入れてもらう。その上パンを大量に差し入れてもらい、一同大喜び。帰りのバスも極めて順調で予定より少し早めに帰宅、前立腺がんも大したことなく終わりそうなので、その報告やら感謝を捧げる旅に相応しい北信濃路であった。

2 件のコメント:

ハナコおばさん さんのコメント...

こんにちは、志賀高原の周りの風景、懐かしく拝読しました。
志賀にはもう何年も行ってないのです。
私もふるさとが長野です。
とても懐かしかったです。(*^-^*)

senkawa爺 さんのコメント...

ハナコおばさん さん
はじめまして、コメントをありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。