2015年9月16日水曜日

日米軍事同盟法案

今夜、参議院で例の安保法案が委員会採決になり、明日は本会議で強行成立させる腹を政権は固めたらしい。この期に及んで書くべきことはもう多くない。政府は戦争法案と呼ばれるのを嫌うようなので、自衛隊は軍隊でないことを知りながら、敢えて日米軍事同盟法案と名付けたい。法案成立後の世の中で何が起きるか全く予想がつかないし、個人的にできることは少ないだろう。昨日の参議院での安保法制に関する公聴会を聴いた感想を簡単に書いておきたい。

公聴会に招聘されたのは与党推薦2名と野党推薦4名の有識者、一応全員の意見陳述を聞いてみた。中で特に印象に残ったのは二人(何れも野党推薦)。かなりお年を召した元最高裁判事濱田氏が、安倍総理他この法案をごり押しする諸氏に向けてかなり痛烈な批判をしていたこと。曰く「私は、政治家のみなさまには、知性と、品性と、そして理性を尊重していただきたいし、少なくともそれがあるような見せかけでもですね、これはやっていただきたいと。」

聞いている方は蛙の面に何とかで、残念ながらこんな皮肉は通じなかったに違いない。こちらも知性、品性、理性にかけては自慢できる柄ではないが、政治家の先生には少しこの言葉を噛み締めてもらいたいものだ。家庭でよく言われるのだが、この3要素に欠ける父親の存在が、子供たちにある意味で反面教師の役目を果たした意味もあるらしい。同様に今回の長丁場になった法案審議を通して、国民の為になったと思われることがある。

多くの国民かどうかは分からないが、少なくとも駄目親爺からすると立憲主義とか、読んだこともない憲法について随分知恵をつけてもらった。問題はこの知恵を今後どのように生かすべきかであるが、結局は選挙を真面目に考えて投票することに尽きるのかもしれない。前立腺がんの放射線治療も今週で終了することでもある。少なくとも来年あるとされる次の参議院選挙には清き1票を投ずることは可能だろう。

老いぼれの政治行動は余り期待できないにしても、同様に立憲主義に目覚めた若者も多い筈で、こちらは大いに期待できる。我が孫にも18歳や17歳が居るのだが、彼等に昨日公聴会に出席したSEALDsのリーダー奥田氏の声が届いているかは分からない。しかし彼の語ったことはその言や善しである。「わたしたちは決して、いまの政治家の方の発言や態度を忘れません。『三連休を挟めば忘れる』だなんて、国民をバカにしないでください。むしろ、そこからまたはじまっていくのです。」

この法案の違憲性がどうのこうのと、今更言っても始まらないかもしれない。冒頭に書いたように、今後どんな影響が出て来るかも想像が出来ない。多分言えるのは異論を許さない暴走政治が始まろうとしていることだ。そしてこれに立ち向かえるのは、奥田氏の言う通り若い人達であることだけは間違いない。若人の知性や理性に期待し、安倍政権の暴走を止める戦いの健闘を祈りたい。

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