2015年5月3日日曜日

TBS『報道特集』

最近のテレビはニュース番組すらつまらなくなってきたが、昨日18時から放送されたTBS「報道特集」は見応えがあった。特集としてご多分に漏れず総理のアメリカ議会での演説を取り上げていたのだが、コメンテーターの選定に敬意を表したい。国内から二人、一人は新潟県加茂市の市長小池清彦氏(78歳)、氏は元防衛庁制服組の幹部で5期目の市長さんであるが、自衛隊の海外派遣には一貫して反対し続けている。

もう一人は安倍氏の側近評論家元外務省官僚の三宅邦彦氏(63歳)、勿論集団的自衛権行使は賛成で、日本が普通の国として評価されるにはこの道しかないと考えている人であるのは衆知のお方。自衛隊員が海外で血を流すようなことがあっても、彼等はそれを覚悟で入隊してきているのだから、私は特に違和感を覚えない。と言い切ったのには流石少しびっくりした。

そしてアメリカから一人、選ばれたのがジャーナリストのジョン・ダワー氏、小生の2歳年上のようなので77歳だろう。何となく名前は知っているが、著書を読んだことはなかった。彼のインタビューが秀逸。日本人の妻を娶り、長く日本を見つめ続けているジャーナリストでピュリツァー賞まで受賞している人なので、アメリカでも評価は高い人なのだろう。

金平キャスターのインタビューに答えるコメントでかなり長時間に及んだ。今年は大戦の終結から70周年であるばかりでなく、ベトナム戦争介入50周年の二つの節目の年なのだそうだ。現在アメリカの国防省はベトナム戦争を美化して、あの戦争は崇高な戦いだったとするためのイベントを用意しているとのこと。これと似たように、日本の保守派には先の大戦を美化しようとする雰囲気を感じてしまう。

先の大戦にせよベトナム戦にせよ戦争とは悲惨なもので、弱者が多く犠牲になる。そして日本の保守派が「日本を普通の国にしたい」という時、彼らの言う「普通の国」とは憲法を改正することで、自ら軍隊を持ち、自ら武器を保有し、戦闘に参加できる国を意味しています。アメリカは普通の国でも何でもなく、極言すれば狂っている国だから、素晴らしい日本には「アメリカのミニチュア版(Little America)」になって欲しくありません。と結んでいる。詳しくは下記を参照願いたい。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4234.html

素晴らしいことを引き出したな、と思ってネットを検索すると先ず飛び込んできたのが「TBS『報道特集』歴史家ジョン・ダワー氏の警告が偏った偏見で世論を誘導するプロパガンダ放送だと話題に」続いて「ジョン・ダワーという腐れアメリカ人」やれやれ、といった感じだが、ともあれ彼の代表作「敗北を抱きしめて」を読むにしくはあるまいと、早速書店で購入。上下2冊で5400円と少し高かったが、連休中の自分へのプレゼントとした。

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