2015年5月24日日曜日

まともな論戦が見当たらない

先週は約1年振りで党首討論が行われた。週末はこの討論をめぐってマスコミが炎上するかと期待したが、案に相違して思ったほどに盛り上がらない。今朝のテレビ(TBSサンデーモーニングでの岸井成格氏)で、党首討論はもっと時間をかけた方が良い。さもないと議論が深まらないとの意見を聞いた。時間が長いに越したことはないかもしれぬが、今回の討論を聞く限り、時間が伸びても視聴者の消化不良は変わらなかったろう。

短時間ではあったが3人の野党々首の質問は、それぞれを簡にして要を得た内容で問題の核心をついていたと思う。対する総理の答えは徒に長たらしく、人を馬鹿にしたような内容で、まるで答えになっていないことは万人の認めるところだろう。岸井成格氏の解説によると、総理の答弁は大変慎重に言葉を選んでいるとのことなので、余計腹が立つ。野党の懸念は皆的確であって、まともに答えたら収拾がつかなくなる可能性が高いので、言外に含みを残して誤魔化しているらしい。

終盤国会までそんな誤魔化しを延々と聞かされた挙句に、強行採決が待っているとは国会の権威も地に落ちたものだ。と思っていたらやはり今朝のTBS時事放談に出演した古賀誠氏が「この安保法制改定問題は、1国会の多数決なんかで決められる程簡単な問題でない。」と言っていた。国民の覚悟を確認せずに決められる程簡単な問題ではなかろう、との意味に於いては正論である。

しかし、彼自身はバッジを外しているとは言え、重要派閥岸田派の実質オーナーではなかったか?全くよく言うよとの思いだ。本心からのことであれば、後藤田氏ではないが、子分どもを叱咤して内閣から閣僚(外務大臣の他2人もいる)を引き上げるとか、手段は幾らでもある。まさか、国柄が変わろうとするあの時に「俺は反対した」とのアリバイ作りではないだろうね。

内閣に大臣を1名も出していないが、二階派会長の二階俊博氏も面白いキャラだ。自民党総務会長のネームバリュー以上に最近やたらと報道対象になっている。現在は、安保法制改定の主たる目的が、増大しつつある中国への脅威に対する備えとされている騒ぎの中で、如何なる人か知らぬが3千人の徒党を引き連れて訪中している。先方も習近平国家主席が態々出迎えて、総理からの親書を手渡されて受け取っている。

ひょっとすれば、中国脅威論なんてのもアメリカの言いなりになるための、でっちあげなんて事なんだろうか?素人には余りにも解りにく過ぎることばかりだ。確かに日本語には言外の言が盛られるのが特徴でもある。しかしせめて国会論議くらいは裏表の無い普通の日本語で応酬して、普通の人が素直に理解できる論戦を展開してほしい。

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