2015年4月30日木曜日

日米関係で若き日を思い出す

平日の木曜日だが、街全体が何となくゴールデンウィーク気分のようで人通りが少ない気がする。JR東日本の老人割引「ジパング倶楽部」メンバーになって以来、連休期間は割引が利かないので遠出は避けるようになっていたが、近郊のハイキングは必ず出掛けたものだった。早緑輝き風薫る季節に外を歩くのは誰にとっても楽しいことだ。身体の不調でそれが叶わなくなったのは、歳を実感すると同時に悲しむべきことかもしれぬ。

しかしこれまでに自分なりには十分楽しさを味わってきたのだから、自宅を出ずにじっと大人しくするのも摂理のようなことだと我が身に言い聞かせている。我が身はさて置き、一種の国民性とも言える旅行シーズンで、老若男女の国内外への旅行者が急増しているようだ。そのこと自体はなにも非難できない。新幹線が4時間半も止まって大いに難儀した人もいるだろうし、何億円もする専用機を飛ばしてアメリカに旅行している人もいる。

何でもアメリカ大統領からのご招待だそうだから、ことさらケチをつけるのも如何かとは思うが、マスコミが朝から晩までこれを取り上げ、嬉しそうな報道を接すると、何がそんなに嬉しいのかと皮肉りたくなる。確かに我が国は70年前の敗戦により一時アメリカの占領下に入った。しかし、建前に過ぎなかったかどうかは兎も角、7年後には占領の軛から解放されて主権国家として独立した筈だ。

以来、国のリーダー達は独立を実のあるものにすべく様々な努力を重ねてきたのだろう。中学から高校にけての頃だろうか、弱いくせに不良を気取って喧嘩沙汰に絡んで来たので分かることがある。大体喧嘩に負けると、負けた相手に対して負い目を感じるのは仕方ない。不良少年の性かもしれぬが、どうしても喧嘩の回数を増やして勝ち負けのバランスを図ったり、付き合いの幅を増やそうとするものだ。そのようにして例え喧嘩に弱い奴でも主体性を保っていたように思う。

国家の外交だって似たようなものだろう。アメリカに負い目を感じるのは仕方ないにしても、自ら好んで「私はあなたの子分になります。」なんてなかなか言い難いものだ。言った途端に、そいつが喧嘩に弱いとか以前の問題として、他の不良連中から見れば一段格下に落とされてしまうのが当たり前だ。安倍氏とすれば、日本の独立主権を一層確たるものにするために打っている芝居かもしれぬが、違和感を禁じ得ないのは今回の彼の言動が前述の不良少年の喩えではないが、自らを貶めている感じがするからである。

彼の先輩にはアメリカに楯突いて政治生命を失った田中角栄氏、小沢一郎氏、鳩山由紀夫氏なんかもいる。それぞれ毀誉褒貶はあるだろうが、共感を覚える人も少なくないだろう。地球上に数多ある国家と対等に付き合うことができるか否かは、軍事力や経済力の強さでないことは誰にでも分かっていそうだが、現政権には理解不能らしい。日本に対する脅威が高まっているとか、抑止力の強化とは誰に向かって言っているのか?このことの方が余程理解不能だ。

子供の頃自分の所属するサークルを超えて喧嘩をせざるを得なかった人間なら誰にでも分かる。喧嘩に強い弱いは大した問題でない、身内(所属するサークル)が結束していることと、誰とでも付き合える人間が一番安全なのだ。安倍氏にすれば身内は圧倒的に結束したと思って入るだろうけどね。

0 件のコメント: