覇権国の狭間で

ロシア人と聞くと、何となく朴訥でお人好みたいなイメージを持っていたが、勘違いもいいところらしい。特に現在政権を握っているプーチン大統領は親日家であるかもしれぬが、個人的な感覚ではとんでもなく冷酷無慈悲な覇権主義者のようにも思えてくる。ひょっとすると、日本人が嘗て恐れたスターリン以上かもしれない。むしろカウボーイ国の大統領オバマ氏が、混乱の国際政治の中にあっておろおろと手の打ちようも無く、おまけに国内的にもレイムダック状態に置かれていると聞いては同情したくなる。

とは言っても、この世界的な混乱の原因は全て、政党が異なると言ってもアメリカ大統領に起因しているので、因果応報と言ってしまえばそれまでであるが。世界最強の軍事力の使い方が分からない訳でもなかろうが、個人的にプーチン氏ほど強烈な個性を持ち合わせていないのかもしれぬ。とは言っても日本からすれば前門の狼に後門の虎の喩え通りだ。幾ら安倍氏がいきがってみたところでとても適う相手ではないことは承知の助だが、それにしても余りにも情けなさすぎる。

安倍氏はプーチン氏と既に4回も会談をしているのだから、クリミヤの時とマレーシア航空17便の際に、せめて電話の1本ぐらいして、蛇だがミミズだか分からないようなことでもいいから、直接話が出来なかったものかと悔やまれる。昨日ロシアのラブロフ外相が「大統領の訪日はウクライナのこととは無関係だ。既に日本から期日を含めて要請されていることに何も変更はない。」と秋の訪日を予定通りしたい意思表示をしたとのこと。この話を帰宅して婆さんから聞いたのだが、夜見たTVニュースと今朝の新聞でも関連記事を確認できなかった。

ところが昼飯を食っている時見たTVニュースによれば、やっと菅官房長官が記者会見で「まだ何も決まっていないので、諸般の情勢を鑑みて国益に沿って考えを収斂していく。」見たいコメントを発している。総理閣下は来週の内閣改造で頭が一杯で、複雑な国際情勢なんぞとてもじゃないが頭が回らないのだろう。宗主国の方でも端パイの日本のことなんかは問題にならぬほど、次から次へと頭の痛い外交問題に振り回されて、国務長官や国防長官は席を温める暇がないくらいだ。

霞が関の外務省スタッフがシャカリキになっても、米国やロシア在住スタッフから適切な情報が入らず、本省での調整が不能で、官邸の意思決定に繋がるような報告は出来ないのだろう。ロシア在住スタッフをおまけのつもりで書いたが、日本が顔色を窺わねばならないのは勿論ワシントンである。ワシントンの意向が確認できなくても良いじゃないか。「日本もロシアがウクライナに於いて取った行動は遺憾には思っているが、日本とロシアの関係を根底から覆すものではないので、大統領訪日は予定通り進めてもらう心算だ。」くらいのことをしれっと記者会見で言ってやれば良かろう。

ロシアが問い合わせてきたわけでも何でもない。お前はどちらの味方をするつもりか?と半分脅しに掛かっているだけではないか。取りやめの発表なんかいつでも出来る筈だ。当のロシアはもとより、宗主国アメリカが腰を抜かすかもしれない。同じお人好でも、アメリカ一辺倒でもそれは仕方ない。右顧左眄も時にはあっても良いとしよう。しかし肝心な時に意見表示をしないのが一番悪い。だから大国から相手にされぬのだ。

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