2014年8月25日月曜日

暮らし雑感

土曜日に見たテレビで評論家の田原総一郎氏が言うには、安倍内閣の最大関心事は日経平均株価と世論調査の支持率だそうだ。どちらも暮しには余り関係無さそうな数字だと思うが、評論家の大御所めいた方が仰っているのだからそう言う事なんだろう。国民の暮らしそっちのけで、少なくとも国民の一人であるこちらには全く無関係なことばかり気にして貰ったのではたまったものでないような気がする。それでも双方とも比較的高い数字を維持しているのは、ご同慶の至りと皮肉を込めて言っておこう。

家の中でも外に昼飯を食いに行っても、毎日のように聞かされるのは食材の値上がりの話と店仕舞いする食いもの屋が多いことである。確かに自分の行動様式を考えても、この4月に目出度く昇給されたサラリーマン諸氏と違って、減額一方の年金暮らしである。小遣いの大部分が昼飯代みたいものだが、4月以降一寸贅沢な気分の昼飯が少なくなった。贅沢と言っても精々900円前後のランチのことだが、これが軒並み千円を超えるようになっている。そうなると頻繁には注文しにくくなって、その店から足が遠のく実態がある。

それでも東京は大都会なので、安いランチを提供し続ける店があるのは嬉しい限りだ。隣の親爺もその一人で、未だに500円の日替わり定食は勿論、メニューを全く変更していない。結局客が減るのが怖くて値上げが出来ないらしい。何故ならば小僧から独り立ちした頃、親方が店に様子を見に来て叱られたそうだ。「儲けることばかり考えやがって、バカヤロー。最初は大勢のお客さんに来てもらうことだけ考えろ!」70歳を過ぎても初心を貫いているのは見上げたものだ。

「今は食いもの屋だけでなく、八百屋や魚屋、肉屋でもなんでもお客の顔を見ない人間が値段を決めるシステムの大型店が多くなっているのでどうしようもないね。ネギが1本100円の時代だから、安い材料で定食をこさえるのも結構大変だ。」婆さんがネギ一束180円とスーパーの広告にあったのを見ながら同じようなことを言っていた。「ネギが2本で一束なんて言うかしら?」
なんとも世知辛い世の中になりつつあるようだが、我が家は自家用車が無いだけまだましみたいだ。

娘二人の所帯はどちらも自家用車を持っていることを、同情しているみたいな言い方だった。娘たち家族が必ずしもそうだとは思わないが、一般的に夏の過ごし方としては、避暑と称して山や川や海に行く方が多い。自家用車を使わないにしても、出かけると何かとお金が掛かるし、事故の危険が付きまとう。「暑さを避けるにはエアコンの効いた部屋でじっとしているのが一番安上がりで安心できる筈よ。そう思いませんか?」山歩きを自粛している亭主を慰めるために言っているような気もする婆さんのお言葉だった。

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