世界一の安全基準

朝日新聞が昨日から元中部電力役員の告白として、政界工作資金をばら撒いていたとの記事でキャンペーンをしているが、マスコミ全体としてみると大した騒ぎになっていないようだ。内容的には1985年からの20年間で、建設会社から受け取った裏金を、少なくとも計2億5千万円を政界対策のために受け取り、多くを知事や国会議員ら政治家側に渡したという。今日の記事によれば、中には受領を認めた元知事もいるらしい。

1年での平均値に置き換えれば1千万円強の金額、兎に角この程度の話ではマスコミに火がつく筈もない。何故か、当事者として1980年代の原子力広報に少し関係していたのでよく分かっていることが幾つかある。電力会社が当時ばら撒いた金額は、朝日新聞が掴んだ程度の半端な額ではない。お金の蛇口は多岐にわたっていたが、経団連ビルに入っていた電事連なる任意団体、これが最たるものと思うが、未だに、ここを本格的に追及するメディアは現れない。

その金の力が未だにものを言っているのか、再び新しい安全神話が形成されつつある。311事故前も現在も同じ構図だが、安全神話の発信源は政府と官僚である。神話に組して応援したのが、俗に有識者と言われる学者の一部とオピニオンリーダーとされた電波芸者、それに加えてマスコミ人脈にも相当いたので、マスコミ報道がどうしても手ぬるくなってくる。今回の安全神話は「世界一の安全基準」だそうだが、何を根拠に言うのか証明不可能なこの言葉がまかり通るのは噴飯ものである。

しかし何度も聞いていると、実際にそうなのかと思い込んでしまうのがマスコミによる刷り込みの怖さだ。日本のマスコミは新聞社毎に系列化されているが、朝日新聞系は当時から無批判に原発をヨイショすることは控えていたと記憶している。正反対に位置していたのが読売新聞系で、元々原発を日本に導入したのが読売出身の正力松太郎氏であったのだから当然でもあった。テレビ媒体に不可欠な芸能人も大分動員されていたと記憶するが、多くは今や口を拭って反原発を唱えたりしている。

彼等は特に確固たる信念がある訳はないだろうし、思想信条が時に応じて変わるのは仕方がないことだ。小生もその一員なので他人の心変わりをとやかく言う資格は無い。今度は無償で、大いに反原発の宣伝に努めてもらえばいいのだ。

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