2014年6月19日木曜日

記述する資格無いのを承知だが

イラクの混乱が連日報道されている。見過ごすわけにもいかずざっと目を通すが、とんでもなく悲惨なことが起っているようだと想像しても、実態が上手くイメージできない。サダム・フセイン大統領がアメリカ軍に殺されたのが2006年だから、早いものでもう8年にもなる。その後アメリカ軍の占領下で、新しい国造りが行われ、改め主権国家イラクが誕生して選挙によって大統領も選出された。聞くところによれば、新大統領はサダム・フセイン氏とは全く別の宗派の人で、新政権はアメリカと戦った前政権とは大分趣を異にする人たちで占められているようだ。

同じ占領下であった我が国と比較すると、戦前戦中に政権中枢にいた人間が悉く排除されて社会主義政権が作られたようなものであろうか?生半可な知識で想像するに、むしろサダム・フセイン氏の宗派が少数派で新政権のシーア派が多数派らしいので、逆に譬えた方が適当だったかもしれぬ。戦後8年と言えば小生も中学生、世の中はかなり落ち着いてきていたように思う。イラクの場合は、全く正反対のようで落ち着いているどころの話ではない。木に竹を接いだような政権を作ったので、根っこの木が怒って竹を揺さぶっているようにも見える。

後見人である筈のアメリカも打つ手が有るのか無いのか、随分無責任で罪作りなことをしたものだ。悪く言う人に言わせると、良くも悪くも数千万人の国民を統治している主権国家に因縁を付けてぶち壊し、あとは知らぬ顔の半平さんで内乱を誘発させて国家を解体分割しようとしている。従って、現政権に対しては、陸上部隊は出さぬが、空爆ぐらいの援助は考えようと言い、一方反乱軍側にもサウヂやイランと提携して資金援助や武器援助をしている。とのことである。

戦争は所詮国家間の利害関係がこじれて発生するものかと思っていたが、利害関係の図式がイメージでないことが先ず問題である。利害関係の元にあるのは石油資源らしいが、戦争で北部に集中している石油関連施設が真っ先にダメージを負っているとの報道もある。これ等の報道をすっきり理解できる日本人がどれほどいるのか知りたいものだ。悲惨な戦争に巻き込まれている現地の人たちには、誰が味方で誰が敵かは分かっているのだろうか?我々の子供時代は鬼畜米英と称して、子供の歌う童謡から大本営発表まで味方はドイツとイタリア、あとの欧米は全部敵と刷り込みが徹底していた。

中東にあっては自分の宗派以外は全部敵と思わされているように、我々は受け止めがちだが、これも現地に行けばそうでないかもしれぬ。隣がキリスト教だろう創価学会だろうと、近所付き合いに不便が無いのは万国共通ではないだろうか?庶民が迷惑するのは常に政治家の権力闘争である。更に分からないのが反乱軍と報道される連中の意図である。前大統領の系譜に繋がる政治家が関与しているなら政治権力闘争とも理解が出来よう。しかし、アルカイーダ系のと聞くと、その蛮行の目的や統治能力について分からない事だらけで、頭が混乱してしまう。

何れ目的が何にせよ、国家の軍事力を笠に着て他国を侵略したのが嘗ての日本であり、現代のアメリカだろう。戦争については殆ど知らずに育ってきたので、語る資格は無いかもしれぬ。現代日本に生きる一人としては、例え同盟国に誘われようが、資源の枯渇が予測されようが「馬鹿はいつでも何処にでもいるものよ。」と黙って見ているのが一番賢明だと思う。なのに悪乗りしようとする人間が政権トップに居座るのが何とも腹立たしい。

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