2014年6月18日水曜日

近代企業と将来社会?

河野太郎が今月発売の「文芸春秋」7月号に「隠蔽された年金破綻 粉飾と欺瞞を暴く」と題する寄稿をしている。と思ったら今度は昨日の日経新聞が「年金を減らす」と一面トップで書いたらしい。即ち、厚生労働省は公的年金の給付水準を、物価動向にかかわらず毎年抑制する仕組みを2015年度から導入する方針とのこと。年金の積立金をもっと株式投資に回せば良いとか、こと年金だけではないが、現政権のなすこと全てが国家国民の将来なんかどうでもいいと思っているようだ。

特に国民の福祉を最優先に考えるべき厚労省と厚労相、前者は数多の官僚を擁し、その上に鎮座している自民党の政治家田村某氏。これが余りにご粗末すぎはしないか。彼はASKAと一緒に覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された栩内容疑者が勤務していたとされる人材派遣大手パソナの接待施設「仁風林」で何度も濃厚な接待を受けていたという。パソナグループと現政権閣僚との関連については日刊ゲンダイが何週間もキャンペーンを張っているが、マスコミが一切取り上げないのも不思議で仕方ない。

そもそもパソナグループ代表の南部靖之氏なる人物は相当に胡散臭いが、政権にしっかり食い込んでいるのは間違いなさそうである。リクルートにせよ徳洲会にせよ、事業に成功してお金が余ると政界にばら撒きたくなるのか、その逆であるかは分からぬ。しかし、マスコミが突っ込まないのは、マスメディアも相当ご利益に与っているのだろうか?小生もあまり突っ込むと、現代の成功者を如何にも僻んでいるようなのでいい加減にしたいが、「人材派遣ねぇ」の感が強い。

「人材派遣」なる単語を初めて聞いたのは昭和の終り頃だったと思う。やはり同じ頃に湧き出してきたのが「警備保障会社」勿論それぞれもっと以前からニュービジネスとして登場していたのだろうが、派遣企業からの派遣社員に初遭遇は1987年に初めて転職した会社だった。今までの会社と違って、今度の経営者は新しい経営センスを持っているものだと、尊敬の念を感じたのを覚えている。「警備保障会社」はその少し前、大阪にいた時に銀行の紹介で経営者に会いに行った。

空手だったような気がするが格闘技の選手上がりの人で、この人も先見の明があると感心した。「もう広告なんか必要ありません。これからは警備員の派遣とパソコンの時代ですよ。」と言っていたのを記憶している。その時は意味がよく理解できなかったが、あれから30年近く経って今考えると、本当にその通りになったと思い当ってしまう。当時の広告産業規模が5兆円程度で現在と大差ない。

人材派遣業について見ると、派遣法が施行されたのは1986年(昭和61年)だがこの年のデータが見つからない。1999年に1兆4千億円規模のものが2008年に7兆8千億円となり、リーマンショック後は少し下降したが2024年にはほゞ元に戻っているらしい。警備保障業界に関しては先ず業界統計が見つからない。24年の主要7社売上合計が約1兆1700億円で順調に推移とある。近場の工事現場を見ている限り、この業界規模は相当なものだろう。経営者は武道家からヤクザまがい迄、余りに雑多過ぎて統計なんぞ取りようが無いのだろう。

しかし、この二つの業界が隆盛を極める未来社会が、幸せな社会であるかどうかが問題であると思うが、政治家の目は何処を見ているのであろうか?

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