2014年6月20日金曜日

反省だけなら猿でもできる

石原環境相が失言問題で言葉の撤回をして謝罪したとのこと。「公式発言ではないから撤回のしようがない。」と突っぱねていたのに残念なことだ。不信任だろうが問責だろうが圧倒的多数を持っている国会だから、最後まで突っ張りゃ面白いと思っていたが、流石にそこまでやったのでは自民党の支持率に影響が出かねないと説得されたに違いない。国会が終了したら福島へも足を運びたい、なんて言っているらしいが、環境相の馘首は間違いないから行くことにはならぬだろう。与党のすることは何れも姑息である。

昨日の夕方生まれて初めて永田町の憲政記念館なる場所に行ってみた。入場料が無料のシンポジュームがあった。「これでいいのか日本!」の表題で主催は一般社団法人「躍進日本! 春風の会」代表・村上正邦(元参議院自民党議員会長)発言者:森田実・平野貞夫・佐高信・菅原文太となっている。何れもテレビや映画或いはネットで馴染みの人たちだが肉声を聞くのは初めてである。時間が1時間45分と少し短い感じもしたが、足を運んだ甲斐があったように思う。

内容は勿論安倍政権の振る舞いに対する強烈な批判である。単に集団的自衛権についての憲法解釈をたった19人の閣僚だけで変更する暴挙に対する批判が中心ではあるが、現内閣はあらゆるところで日本の古き良き文化を破壊してアメリカの属国化を推進している。こんな日本でいい筈が無かろうとの発言が相次いだ。発言者のうち左高氏だけは69歳で後の3人は小生より年配で80歳前後の方である。戦争の悲惨さを身をもって体験して、戦争の本質を理解されている。

誰がなんと言おうと戦争だけはしてはいけないとの、必死の思いが伝わってくるが、残念ながら今の国会議員でこの思いを共有できる人間が殆どいないらしい。なんでこんな国会になってしまったかであるが、森田氏と左高氏は当時から小選挙区制導入に反対していたらしく「現在の選挙制度では人物より政策で議員を選ぶことになっている。即ちまともな人物がが議員になれなくなってしまった。これが現在の国会を劣化させている。」指摘されると確かにそのようにも思えてくる。

平野氏は当時は議員で小選挙区制導入に熱心だったそうだが、二人にそう言われると明確な反論が出来なかったか、敢えてしなかったのか。どうも内心忸怩たる思いもありそうだった。4人の発言者以外に主催者の村上正邦氏も当然その思いの丈を発言した。氏は自分で言っていたが、嘗ては自民党内で最も右寄りであった人である。司会はラジオ日本で報道部長、取締役論説室長を務めた南丘氏なる人物、現在は月刊「日本」の主幹となっているので、元気な大声でやはり相当右寄りかもしれぬ。

森氏は元共産党員だし左高氏もどちらかと言えば左寄りだろう。何れにしても日本現状について、嘗ての左翼であれ右翼とされた人までが口をそろえて非常に危険な瀬戸際に来ていると警鐘を乱打しているんだ。特に姑息なごまかしについては、小生もそうだが加者全員が思いを共有していることは分かる。しかしこの思いをどのように拡げ、政府の暴走を引き留める方策、具体論が見つからない。その歯痒さを全員が噛みしめているような気がしたシンポジュームだった。今後このシンポジュームが全国で開かれるようなので、スケジュールが分かりましたらこのブログでも紹介して、少しでも参加者が増えることに協力したい。

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