2014年5月18日日曜日

問題の捉え方と人選

このところテレビをつける度に石破自民党幹事長が出てくる。集団的自衛権に関する憲法解釈変更が先週最大の話題だから、仕方がないと言えばそれまでではある。それにしても衆参両院で最大会派の自民党でありながら、テレビに出演して本件についてまともに話ができる人間が他にいないことには驚く他ない。換言すれば、本件が如何に筋悪であるかを証明しているようなものだろう。

総理の虚言癖、或いは振付け以外の発言が出来ないは今に始まったことではないし、まともな人と会話して筋の通った論理を展開できる人でないことは既によく知られてしまっている。政府内部に在籍する政治家の中にも代わるべき人間が見つからないようだ。法務大臣の谷垣氏や外務大臣の岸田氏なんかが出演すればどういうことになるのか?どちらかと言えば昔から総理所属の清話会とは正反対の派閥に属しているだけに、変なところで本音が出たりすれば面白いのだが。

そこで党側にいる石破氏の登場になっているのだろうが、彼は元々多くの会派を渡り歩いた流れ者、伝統的政党人からはまともに相手にされていなかったのに、総理がくるくる変わる混乱に乗じて、何時の間にやら政党の金庫番になりあがってしまった。百田尚樹氏あたりが小説「親分無しの子分無し、節操を捨て天下を手にした男」とでも書きたくなる人材だろう。党側にはそれでも高市早苗氏とか他にもテレビに出たがる人間はいそうだが、他人に任せられない石破氏の性分なのか、或いは問題がヤバすぎるので任せられないのか、知ったことではない。

何れにせよ、安倍陣営の有識者なる人だけとの会話であるなら兎も角、少しまともな記者なりゲストと同席する限り、幾ら現在の地位をバックに上から目線で抑え込もうとしても、相手から冷ややかな反応が返ってくるだけに、些か同情したくなる。安倍総理も同じだが、石破氏も望外の権力を手にしたことで、自分が急に賢くなったと勘違いしているのが、見ていて明らかである。日本語の良いところでもあるが、相手が本心ではどんなに馬鹿にしていても、尊敬語と丁寧語での会話しか聞こえなくなると、受け手が思い上がるのは仕方がない。

本件についてマスコミが取り上げる時おしなべて「安全保障環境の激変」が枕詞になっている。アメリカが戦争に疲れて交代要員と加勢を他国に求めることは理解するにしても、日本に対する侵略に危機が嘗てに比べて高まっていると考えるべきとする人(特にマスメディア)には具体的に教えてもらいたい。昨日のテレビで誰かが指摘していたが、1980年代に東西冷戦の危機が高まった時期に比べると現在は遥かに平穏、先進国は兎に角戦争だけはしないようにしようとの外交努力をしているのだそうだ。

言われてみると確かに説得力がある。我が国はアメリカの属国で、一流国家でないから、と言ってしまえばそれまでだが。先進諸国の努力を省みず、平地に乱を起こしかねない火遊びをして良いうことにはなるまい。中には、本気で解釈改憲をヨイショをしているマスコミあるので何をか況やだ。

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