2014年4月2日水曜日

武器輸出

思い出すと海外旅行を初めて経験したのが1970年前後で、ハワイ旅行だった。当時最新鋭と言われた日航ジャンボ機だったが、こんなでかい物体が空に舞い上がることが俄かに信じられず、離陸の際は拳を握り締めて緊張していた。気がつくと、あれから既に40数年日本の航路からジャンボ機が消えるらしい。当時は既に生活がかなり豊かになり、3種の神器と言われた洗濯機・冷蔵庫・テレビは各家庭に行き渡り、自家用車を持つ家庭が現れ始めていた。

ある出版社が、貢献度の高い広告代理店をサービスで海外旅行に招待してくれたので、そのツアーに会社が参加させてくれた。今もこんなサービスが日常化しているかどうか分からないが、当時は取引先との飲食、或いは中元や歳暮と同じような感覚でこんなサービスがあちこちにあった。正に高度経済成長を象徴していたのだろう。

しかしこのジャンボ機を見て、アメリカに対して畏怖心を持ったのも事実だ。日本も嘗ては世界的に評価されたゼロ戦を作る技術を誇ったにせよ、その流れで現在は、プリンスグロリアとかスカイラインGTなんて格好いい自動車を作るようになったからとて、とてもじゃないがアメリカと比べると、その技術力と工業生産力は月とすっぽん、雲と泥の違いがありそうだ。この差は永遠に埋まらないだろうし、第一戦勝国が、飛行機を生産することを永遠に許可する筈は無い。と一人合点で納得していた。

この刷り込みがあるため、日本が飛行機のライセンス生産を始めたり、完全な国産航空機の生産をしていることも報道で知っても、余り深く意味を考えたことが無かった。凡人には情報を咀嚼する能力が無いことの証明みたいものだ。昨日閣議決定で、武器輸出3原則変更を報道で知り、改めて日本の工業力について考えが及んだ。いつの間にか目の前からキャデラックやリンカーンと言った米国製高級車が消え、ベンツやBMWは今でもよく見かけるが圧倒的に国産車が溢れている。

目にする機会は殆ど無いが、自衛隊の装備と言えば殆どアメリカ軍の中古品と思い込みがあるが、戦車でも軍艦でも、これまたいつの間にか国産品になっているらしい。航空のゼロ戦二世こそ誕生していないが、外国から高い評価を得ている軍事技術や製品が多いらしい。嘗て小生が抱いた劣等感は何だったのだろう。いつの間にやら世界有数の工業国、しかも武器生産国になっていたのか。それはそれで誠に結構なことだ。日本人の多くが、小生のように怠けていないで、真剣に努力をした結果だろう。戦勝国もその努力を多とし、日本人は平和の大切さが分かっている筈とのことで、多少の武器の国産化は認めざるを得なかったのか。

原爆さえ持たせなければ、近代戦に参加する資格が無いからと甘く考えたのか、そのあたりについては全く分からない。しかしこの路線で走って来れば、とどのつまりで、作り始めたものを更に作り続けるために製品の輸出は当然の帰結だ。幸い現行内閣は経済成長を最優先課題とする一方、戦後レジームからの脱却を大方針に掲げている。経済の重視と平和の尊重を思うと自己矛盾に苛まれるが、それをいとも簡単に解決するのは見事とも言える。

しかし、先の敗戦を踏まえて世界に発信した憲法と、その精神である平和国家宣言はどうなるのか?自己矛盾が解消されれば、他国がどう考えようと関係ないのか?小生は気が小さいので悩んでしまうが、国民の60%が内閣を支持しているのが現実。経済発達の恩恵にたっぷり与ってきたし、貧乏したくない気持ちも分かる。日本は平和そのものだが、世界には武力紛争が続いている国がごまんとあるし、きな臭いところは更に多い。武器輸出が解禁となれば、当然買い手はきな臭いところだ。

何時の場合も武力紛争の何れが正で邪かは分からない。大体に於いて、より強大な武器を行使して、勝った方が正とされるようだ。

2 件のコメント:

中Chan さんのコメント...

武器輸出とは直接関係ありませんが、 エイプリルフール明けの2014年4月2日に、STAP細胞に関する、コメントが賑やかになりました。

小保方氏を叱責しながらも、「勝手に論文を撤回してはならない。」この厳しい試練の中で、小保方氏が科学者としても、人間としても、一回りも、二回りも大きくなるようにと切に祈る。
・・・・と温かい言葉を贈っている、理学博士安藤和子氏のブログに感銘を覚えましたので、ご紹介いたします。自称、クリスチャン科学者でもあります。

15年前から取り組む米国バカンティ教授、小保方氏一貫後押し。
STAP細胞作製の再現にトライする、香港(中国)の李教授の熱心さを見ると、「武器輸出」に劣らない水面下の熾烈な利権争いが感じられます。
理学博士安藤和子氏の「勝手に論文を撤回してはならない」は、重い発言だと改めて感じる次第です。
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http://andowako.jp/
安藤和子ホーム
<クリスチャン科学者>
http://blog.andowako.jp/?pid=1
理学博士 安藤和子のプロフィール
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http://blog.andowako.jp/?eid=177
<安藤和子のブログ>
■「STAP細胞:関係者たちの理解し難い対応・著者たち、他施設の専門家たち(1)」
<後半、抜粋>
事実として何があったのか、著者たちが真実を語らない限り分からないことであるが、
この機会を捉えてゴミを掃除して欲しいと筆者は願う。マスコミ報道を見る限りに於いて、
共同研究者たちは小保方氏をスケープゴートにして自分は逃げてしまいたいという、
信じられない無責任極まる卑怯な態度が見えてきて非常に残念に思う。
一度は、一緒に栄誉を得ようとしたのではなかったのかと、つい思ってしまう。

若い優れた科学者を餌食にして潰してしまうのではなく、共同研究者や理研の
先輩科学者たちが彼女を変な庇護下に置かないで正しく護り、科学者として
自立した将来を歩めるように配慮して、育てて欲しいと祈る。
2014年3月15日
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http://blog.andowako.jp/?eid=179
<安藤和子のブログ>
■「STAP細胞:著者/共同研究者たちの責任・他施設の専門家たち(2)」

<前半省略>
STAP細胞が本物なら堂々と主張すべし。科学研究を歪めないで!
論文は撤回すべきではない! STAP細胞を作製したのなら
この小論を「本物なら堂々と主張すべき」という主張で始め、
最後に「STAP細胞を作製したのなら、論文は撤回するな」
という同じ論点で締めくくる。
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共同研究者こそが彼女を支えなければならない、立ち直るため
の杖を与えなければならない。どうか、そういう温かい心を
持って欲しいと思う。
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さて、一人のクリスチャン科学者としての筆者は、
この事態が起こってから祈り続けている。
2014年3月20日
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http://blog.andowako.jp/?eid=183
<安藤和子のブログ>
■「『STAP細胞の発見は間違いない』と小保方氏:訂正論文を提出済み!(3)」

不正・捏造と決めつけた理研の幹部
天国から地獄へ突き落とされた時の人、小保方氏

 理研の幹部たちの会見は、彼女に対する不信感とほとんど悪意に
近い感情に満ち満ちたものであるように受けとめられた。
・・・・・・・・・途中省略・・・・・
 前回、筆者は、彼女が科学者として、また人間としても幼いと書き、
問題点を指摘し、そして問題が発覚した後の対応のまずさも指摘した。
その上で、しかしながら
★STAP細胞が本物なら堂々と主張すべし。科学研究を歪めないで!

と書いた。本当に世紀の大発見であるならば、こんなことでSTAP細胞
の発見を殺してはならない。科学研究は、論文を発表した時点から、
その発見は著者個人の所有物ではないのである。その発見はそれを
発見した人の手を離れて、一人歩きをさせなければならない。

勝手に論文を撤回してはならない。撤回が許されるのは、
捏造した時のみ、すなわち、その発見が嘘である場合のみである。

 今回、彼女は多少とも立ち直って、どうやらこの大切なことに
気が付き始めているかのような声明文を、弁護士を通して提出した
ことに安心を覚えた。

 この論文が、歪みそうになった脚を伸ばして、科学研究の正当な
歩みの中に立ち直ることが出来るようにと祈る。
また、この厳しい試練の中で、小保方氏が科学者としても、
人間としても、一回りも、二回りも大きくなるようにと切に祈る。
2014年4月2日
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以上<安藤和子のブログ>より
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是非、3件のブログの本文をご一読下さい。
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http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20140403-1279619.html
★バカンティ教授、小保方氏一貫後押し
2014年4月3日9時41分 紙面から]
同氏は、小保方氏のハーバード大留学時の指導教官で、
組織工学の第一人者。約15年前、STAP細胞の
研究に着手したとされ、論文でも「総合プロデューサー」
を務めるなど、小保方氏以上に思い入れは強い。
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http://newclassic.jp/archives/11261
一歩深く読むニュース解説メディア
★「香港の李教授、「STAP細胞作製の再現に成功か」という報道に懸念」
http://wired.jp/2014/04/03/stap-cell-theory-salvaged-2/2/
2014.4.3 THU
【修正版】「香港中文大学、STAP細胞作製の再現に成功か」
「わたしはSTAP細胞が存在していると主張しているわけではない。」
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senkawa爺 さんのコメント...

中Chanさん
私のブログとの関係は薄いかもしれませんが、面白い投稿をありがとうございます。
私も今回の理研幹部の言動は不快です。
どう考えても彼女をスケープゴートに仕立てて、手っ取り早く組織の格上げと予算に獲得に必死なようです。安藤和子さんのブログをよく見つけられましたね。
敬服します。