海外留学奨励に思う

若者が内向き傾向で、海外留学が減ってきていることが社会問題化し始めている。嘘か真か知らぬが、アメリカの大学への外国人留学生数では日本人は年間約2万人で中国人の約1割、人口が日本の半分以下の韓国より少ないと聞いている。何事もグローバル化している時代だから、若い時に外国の大学で学ぶことは大切かも知れぬ。外国の大学で何を学ぶべきかは分からないが、外国語アレルギーを払拭できるだけでも良しとすべきなのだろうか。

その程度の効用は認めたいが、年間2万人と言えば結構な人数だ。昨年母校の慶応義塾大学の入学式に招待された際聞いた、本年度入学者数が確か6千人程度だったことを思えば、慶応の1年生から4年生までを足した数を上回ることになる。アメリカや海外の諸国に幾つ大学があるか知らぬが、日本には500校前後の大学があるそうだ。玉石混交であるのは勿論であろうが、諸外国だって同様だろう。少々留学生が減ったからとて、問題視するほどのことは無いように思う。

年間2万人もいれば、生徒の方だって玉石混淆で、高い志を持っている人もいれば単なる拍付だけの人もいるだろう。自慢にならぬが小生の外国語コンプレックスは相当なもので、外国人から日本語で道を聞かれても逃げ出したくなるくちだが、何処で学ぼうと身に着いたものが本物であれば、言語バリヤーは簡単に克服できるものらしい。メジャーに移籍した野球選手を見る度に思ってしまう。

最近は大学より高校やもっと低学年から海外で教育をと考える親が増えてるらしい。これは如何なものだろうか。明治初期ならいざ知らず、これだけ教育環境が整った国はそう沢山は無い筈だ。先日中学の校長を経験した弟が解説してくれた。「9年間に及ぶ義務教育は勿論だが、民主党政権唯一の?善政で、公立であれば高校まで無償で教育をしてくれる。」環境はそうざらにはないと思う。

要は日本の高校大学できちんと学び、本人がその先、更に志を持つなら海外留学を希望するなら、それを支援するシステムを考えても良いかもしれぬ。しかし、それは政府が税金を投入したりするほどのことではないだろう。政治家が考えるべきことは、飽く迄も義務教育が中心であるべきで、それも教科書の枝葉末節に拘ることではなく、良質な教育環境を整備することだろう。教員の数が不足するのは何故か、質の低下の根本原因は何か。

まともな日本語も知らぬ政治家が、下らぬナショナリズムや経済一辺倒の政策に口角泡を飛ばす図を見ると、この連中が受けてきた教育の貧困が透けて見えてくる。昔の話でせんも無いが、我が小中学校時代の恩師の殆どは、旧制師範学校の卒業生で、今にして思うと皆若かった。ただ職業に対する情熱が伝わってきていたことと、お話と字が上手だったことが未だに印象に残っている。小学校3年生の時の担任の先生が、毎日のようにしてくれた「宮本武蔵」の話が面白くて仕方なかったことを未だに記憶している。

サンフランシスコ条約発効前後の頃だと思うが、戦前の国民的ベストセラー吉川英治の「宮本武蔵」を10歳そこそこの子供に語って教えてくれた先生の意図はなんだったか、未だに分からないが、小説の面白さを知ったきっかけになっているかもしれない。

コメント

中Chan さんのコメント…
昨日4月22日TVでやっていましたが、日本語は明治時代に、福澤諭吉などが、哲学、経済、科学などの外来語を、カタカナでなく、漢字[自由○⇔御免x]で、整備したので、日本語で高度な学問を修めることができるようになった。益川さんなど自称英語が喋れない学者も、日本語主体で学問を究め、ノーベル賞を授与されるまでになり、英語に依らないノーベル賞がニュースになったとか。高度な学問にも対応できる日本語は希な言語であると解説していました。量子物理学の意味は判りますか。初めて、日本語で育って良かったと思いました。・・・でも、英語の読解力は大切な様です。

私は、高校生の頃、ワーグナーの音楽にかふれ、外国かぶれ状態ですが、ワーグナーに関する書籍は、日本人も書き、大抵日本語版になっています。(用語:無調音楽、不協和音) ドイツ語は、趣味の日常会話を時々TVで聞く程度です。

senkawa爺 さんの投稿…
中Chanさん
遅ればせながらコメントありがとうございます。
高等な学問とは縁が無い人生でしたが、私も日本語は使い勝手の良い言語だと思っています。

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