2014年2月5日水曜日

見直しと反省

他人様に言えた義理ではないかもしれぬが、人間時々反省はしてみたいものだ。
安倍政権が発足して既に1年が過ぎた。国内の景気回復が最優先事項と言ってきた割には実際はどうだったか。マスコミには実態を検証してもらいたいが、能力に欠けているのか、する気が無いのか、社会を俯瞰する報道は見当たらない。政権に迎合するような部分報道「自動車・銀行・家電大手の3月決算見込みは久しぶりの好決算」が特筆大書されているばかりだ。

この大手企業の従業員が本当にハッピーかどうか、アンケートでもしてみればいいだろうに。会社が儲かるのは従業員がハッピーでないからだ、と言う人もいる。それでもこういった大手企業では、ボーナスぐらいは増えるだろうから、プチハッピーにはなれるだろう。年金生活者の意見なんか聞く必要は無いが、本日公表された厚労省の毎月勤労統計調査(速報)によると、残業代やボーナスを含めた2013年の従業員1人当たり現金給与総額(月平均)は31万4150円で、12年と横ばいだそうだ。

今年の春闘については、連合は1%以上のベア要求を掲げたが、経団連は固定的経費の増加につながるため、賃金の底上げには消極的。好業績は一時金など、各企業の経営状況に応じた形で還元すべきだとの考えを示している。米倉会長も「各社の業績に応じて最大限の努力を行う」と語っているそうだ。何れにしても景気回復の実感は乏しいし、安倍政権の売りになっている「デフレ脱却」に向けて動き出しているとはとても思えない。

昨年の正月に読んだエコノミスト藻谷俊介氏の記事を未だに保存してるので、読み直してみた。ひょっとすると昨年1月半ばのブログで取り上げたかもしれない。参院選前のことでもあり、株価も上昇し始めて「アベノミクス」が大いに持て囃されていたと思う。記事の見出しは『「無制限にやれば良くなる」のウソ』として、氏は次のように言っている。

質問:安倍首相の発言と経済政策で、円安と株高が起きたと言われます。本当に経済は良くなるのでしょうか。
藻谷:ちょっと、アベノミクスはどうかと思いますよね。国土強靭化のために公共投資を増やし、一方でマネーを供給して流動性を高めるという。それは、どっちも過去、やってきたことじゃないか、と。それで経済が良くなるんだったら、とっくに良くなっているはずですよ。

氏の指摘が余計説得力を強めている感じがしなくもない。総理と藻谷氏のどちらが正しいかは分からないが、総理の方もかなりの自信で、処方については変更する気は無さそうである。検査方法も旧態依然の町医者ではないのだから、やばいと思ったら処方を変更するのも知恵の一つ思うのだが。誰しも偉くなると、方針を変更するのは嫌なのか。中国や韓国との外交姿勢も1年経っても何も変わらない。

その点プロのスポーツ選手は柔軟性がある。若手の優秀な選手はしょっちゅうコーチやトレーナーを変更するみたいだ。年は取ったが、彼等を見習いたい。

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