2014年2月4日火曜日

何か不安定

安倍総理は先月スイスのダボス会議で演説して、100年前の1914年に勃発した第1次世界大戦を引き合いにして、地球の平和を願っていると言いたかったらしい。しかし意図に反して、物議を醸してしまったのは皮肉なことだ。総理と同じで、生半可の知識をもとに書く。

迷信めいた話で恐縮だが、今年の干支は「甲午」(きのえねうま)だそうだ。一説には「甲」は兜を顕し「午」は時刻で昼、太陽が頂点に達しているとのこと。何事も活発で結構かと思いきや、これがそうでもないらしい。頂点に達する時、後は降りしかないのは山登りも同じこと。降りが楽ちんでないのも山と同じで、動乱があっても不思議でない年回りとされているらしい。

干支の占いは一種の統計学に基づいていると聞くが、60年前の1954年(昭和29年)は日本の高度経済成長が始まった年であり、原子力発電が決まり、高速鉄道計画も決まりとあるが、一方で警察予備隊が警察機能補完の衣を脱ぎ捨て、遂に自衛隊が発足した年でもある。正月早々には皇居参賀の混乱で多数の死者が出たり、秋には津軽海峡で洞爺丸事故が起きたりしている。既に中学生だったので、これらのことは全てぼんやりした記憶がある。日本全体が活発で、上を目指して走り始めていたことは間違いないだろう。

120年前の1894年(明治27年)となると完全に歴史の世界で、実感は何もないが、これまた日本も国家としての興隆期だ。憲法も議会も制定され、先進国の仲間入りをしようと意気が盛んであったに違いない。しかしこの年に朝鮮半島で起った農民反乱「東学党の乱」を機に日本が朝鮮に出兵、同時に介入してきた清国(中国)と衝突して、日清戦争が勃発している。個人的に言えば、勢い余って危険な道に踏み込んだと言えなくもない。

占いなんてものは統計を都合良く使い分ければいいのだから、今年を運気盛んな年とするものも多い。一方では、冒頭に書いたように動乱が起りかねないから、気を付けた方が善いよとするものもある。占い師の予言は言葉遣いの問題だけで、どっちに転んでも当たるように出来ている(笑)のだからさておき。来週の東京の都知事選に続いて、昨日は大阪市長が辞職を表明して大阪でも近々選挙となるらしい。何れも想定外で、世の中は混乱している。大阪のことはよく分からないが、維新の会以外の政党がまるで選挙ボイコットに近い声明を出しているのを見ると、タイの総選挙を連想してしまう。

一見平和な日本だが、昨年末くらいから何となく世の中が動乱とまでは行かないだろうが、不安定な感じを受けるのは小生だけだろうか?「アベノミクス」で経済は上向きに転じている「アベノミクスは今年も買いです。」と総理は大見得を切ったが、株価ですら何か不安定なようだ。トヨタは今季2兆円を超える営業利益になるそうだが、26年度以降も好調を維持できるだろうか。今のところ新車の売れ行きはすこぶる良いらしいが、消費税アップ前の駆け込みかもしれない。

どんな時でも企業間は競争だから、景気良い会社もあればよくない会社があるのは仕方ない。何れにせよ人間社会はお互い様だから、我一人や我が一社我が一国だけが良いのは難しいのだろう。新興国の人々の暮らし向きが向上しない中で、日本人だけがハッピーとも言っていられないようにも思う。

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