2014年2月6日木曜日

勘違い民主主義

寒明け10日とか立春寒波と言われる通りここ二日は本当に寒い。この変化に富む季節感がこそ日本人の感性や美意識を育んでいるのかもしれない。酷寒なればとて向かいのお宅の梅でも愛でて春遠からじの思いを綴りたいが、残念ながら才能に欠ける。さればとて、二日も続けて化けの皮が剥げつつある政権の悪口も芸が無さすぎるが仕方ない。昨夜の「報道ステーション」(テレビ朝日)を見て、安倍政権の傍若無人ぶりを指摘せざるにいられなくなった。彼等は何かを完全にはき違えている。

自民党は衆参両院で、国民の信任を受けた選挙によって、圧倒的多数を持つに至った。これは間違いない事実であり、それを力の背景として彼らが目指す国づくりを進めることは民主主義の原則であろう。しかしその推進に当たっては、国会における十分な審議が必要とされていることを知らない筈は無い。議員数では過半数を持っても、国民の過半数の支持がある訳ではないのは当たり前で、議論の為に国会での審議がある。

昨年末の臨時国会で、与党が特定秘密法案を強行突破した時に、読売新聞が「多数決が民主主義」と書いたそうだが、これを痛烈に批判した人がいる。彼は、『安倍総理は「私は国民から選ばれた議員の多数から選ばれて総理になった。行政府のトップではあるが、国民の代表のトップでもある」と答弁し、さらに「政権交代すれば総理は代わるのだからそこでチェックされる」と発言した。これを聞いて私は唖然とした。民主主義の根本が分かっていないのである。』

更に『ヒトラーは選挙で国民の多数から選ばれて首相になった。しかしヒトラーの政治を民主主義と考える人間はいない。』とも言っている。総理自身は多忙でむりだろうが、スタッフにはこのような批判が目に留まらぬ筈は無いと思うが、昨日の報道を見る限りでは、世間に充満していると思われるこのような批判は総理の耳に一切届かぬものらしい。昨晩の「報道ステーション」が取り上げたのは参議院予算委員会での民主党羽田雄一郎氏(羽田孜元総理の息子さんで長野県上田の人らしい)の質問。

質問内容は安全保障問題関連で、これまでの集団的自衛権の憲法解釈を、内閣法制局長官人事を梃に政府権限だけで強引に変更しようとの動きを牽制したもの。靖国参拝問題や、NHKの人事問題を絡めながら質問をして、総理や閣僚の答弁を求めている。しかし、映像を見る限り質疑応答になっていない。総理は特にそうだが、お前みたい小僧っこなんかにまともに相手していられないといった雰囲気がありありであった。羽田氏は総理に上り詰めたお父さんと比べれば小僧かもしれぬが。

国会議員の資格は年齢も党派も関係ない。同じ土俵上で対等の議論をすべきであるにも拘らず、閣僚のこの不真面目な態度は許されるべきではない。民主主義は多数党の意見だけを正しいとするのではなく、少数意見を尊重するところに基本があり、そのための議会であろう。基本が全くなっていない。羽田氏の質問に、総理の諮問機関「法制懇」の論議の中で「憲法解釈を変更したときのデメリットも当然議論されているとは思いますが、そのデメリットにはどんなことがあるのでしょう?」があった。

極めてまともな質問だと思うが、総理が立って「現在の憲法解釈にデメリットがあるので、それを変えようとして検討しているのです。」と傲然と言い放った。巷間指摘されてる通り「最初に結論ありき」で平然としている。今や総理は憲法さえを乗り越え、正に神にでもなった気分であろう。麻原彰晃とイメージが重なる。

2 件のコメント:

秋桜 さんのコメント...

>巷間指摘されてる通り「最初に結論ありき」で平然としている。今や総理は憲法さえを  乗り越え、正に神にでもなった気分であろう。麻原彰晃とイメージが重なる。

まったく同感です。
裸の王様みたいです。

senkawa爺 さんのコメント...

秋桜様
コメントありがとうございます。
2日続けて政権の悪口を書くのは少しためらいましたが、ご同意のコメントを頂きホッとしました。
総理はご指摘の通り裸の大様になってしまっているようです。