2013年12月19日木曜日

猪瀬都知事辞任会見を観て

東京にも初雪予報が出されていたが、結局は雪にならず冷たい雨が降り続いた。昨日は何故か身体を動かすのが億劫になって、習慣にすると決心したつもりの昼のウォーキングをさぼってしまった。こんな時に限って昼飯をいつもよりしっかり食べたりして、厭な性格だ。反動があったせいか、今日は午前中から小雨の降りそぼる中を1万歩をしっかり歩いて納得した。やはり身体は日常的にある程度動かすことが精神的にも良さそうだ。

精神的には爽やかでも適当なブログのテーマが思い浮かぶものではない。
朝から外出してしまったので、事務所でゆっくりニュースやメルマガをチェックする暇が無かった。夕方帰って、午前中行われた都知事の辞任会見をパソコンでチェックした。猪瀬氏も昨日までと打って変わって随分爽やかな顔で応対をしている。記者との応答で「政治家としてアマチュアだった」をしきりに強調している。

ご本人は謙虚さで言っているお積もりのようだし、プロ政治家石原慎太郎氏の操り人形だったことをはしなくも露呈しても、その方が都民の同情を得られると思っておいでのようだ。しかし400万人を超える都民はまさかアマチュア政治家とは思っていなかったろう。少なくとも猪瀬氏が抱えるスタッフや副知事の経験を含め、十分プロとして通用すると思って投票に及んでいた筈だ。この発言を投票した人たちがどのように受け止めるか伺ってみたいものだ。

前回の選挙で、私は確か「鈴木寛氏(民主党)」の名前を書いたように記憶するが、彼の方が政治家としての経験からすると少しプロに近かったかもしれない。しかし民主党員と言うだけでも限りなくアマチュアに近いので、彼が当選したとしても、遅かれ早かれ似たような運命になったかもしれない。私にはアマチュアが何故いけないのか理解できない。

そもそもプロの政治家なんて聞くと昨日のブログに書いた通り、嘘をつくことに何らためらいを感じない人間のように思えて全く信用できない。確かにアマチュアが行政のトップに立つと、嘗ての美濃部都知事や田中長野県知事みたいに、わりと早い時期にプロ政治家側から総攻撃を受けて失脚している。今日の記者会見でも、最後の方でTBSの記者が質問した。「徳洲会マネーは政界に広くばら撒かれているのは衆知のことですが、知事一人が糾弾されたことについてどう思われますか?」

彼は「この1か月何を考えていたか?」と余計な枕を並べたので、知事は肝心なことについて一言も触れなかった。このことは実に残念だ。確かにプロからすると、アマチュアにオリンピックに向けて様々な利権を独占させて堪るか、の思いもあったろう。知事の方にも革新の意気に燃えたかどうか分からないが、只でも傲慢で独善的傾向が強く協調性が無いと評される性格だ。俺のやりたいようにするとの傾向が強く出ていたに違いない。

徳洲会事件が限りなく広がるのを恐れたトカゲの尻尾説も根強いし、前知事が悪いようにしないからと因果を含めた可能性もあろう。一方では、辞任しても特捜が告訴状を受理した以上、事件をうやむやにするわけにはいかない。猪瀬氏への追求だけはまだ続くとの見立てもあるそうだ。既に興味は次の都知事選だが、既にアマかプロか判然としない名前が沢山出てきた。
どうなることやら?

2 件のコメント:

donkoba さんのコメント...

猪瀬氏の書いた本を何冊か読んだ。「昭和16年の敗戦」を初め、「道路公団」等の組織が持つ問題点を鋭く多角的に追及する姿勢には感銘すら受けた。なぜ、彼にしかできない世界を捨て去り、政治の世界に引きづり込まれ、泥にまみれて去ることになってしまったのか。日本をもっと切ってもらいたかった。惜しい人材を失った感じがする。

senkawa爺 さんのコメント...

donkobaさん
ご無沙汰しています。また、コメントをありがとうございます。
私は後輩であるなんてこととは無関係に彼に少し同情しています。
徳洲会絡みで浮き出てしまった猪瀬氏の追及劇は、ここに書い通り彼一人に絞られてしまった感が否めません。記者の質問に猪瀬氏は何も答えませんでしたが、のちに彼の取材力を以て、徹底的に解明してもらいたいと思っています。