2013年12月17日火曜日

日銀短観発表

昨日発表された日銀短観(第159回全国企業短期経済観測調査)によると、日本の景気は4期連続して改善され、大企業だけではなく中小企業の業況判断が21年ぶりに非製造業も含めプラスに転じた。と報道されている。ニュース映像は勿論それに見合う形となって、デパートでも高級品からプチ高級品の売り上げが伸びてきているとか、若いカップルが「収入が増えたので一寸贅沢をしたい」なんて言っている。

マンション等の不動産も売れ行きが順調のようだし、飲食店のテナントが減っていた商業ビルも、交際費課税見直しの動きにつれて埋まり始めているそうだ。
たまたま昼間用事で銀座に出向いたら、築地に事務所を構える友人も言っていた。民主党政権下で灯が消えた状態だった築地の高級料亭の前には、毎晩黒塗りのハイヤーが横付けされ、完全に何かが息を吹き返している。官房長官も、景気の回復が徐々に地方に及び始めたと仰っている。

株価も比較的高い水準を維持しているようだし、輸出も好調、車は国内でも売れ行きが良いらしい。このように書いてみると、昨日見たり聞いたりした話は結構なことばかりではないか。残念なのは我が身に当てはまることが一つもないことだ。婆さんは不貞腐って「そんなの3月までのことよ。4月から消費税が上がるから見ていなさい。野菜なんかの買回り品の値上がりが半端じゃないんだから。この灯油だって1950円もしているのよ。」

「一般的に見て、給料がそんなによくなっている筈はありっこない。」娘二人も主婦だし、親戚や友人を含めて婆さんの情報ネットワークは普段から恐るべき広がりを持っている。今は師走の半ばで、お歳暮のお礼やら、喪中はがきを貰ってのお悔みやら、情報交換の機会がより増えるシーズンでもある。長電話を駆使した婆さんの景気観測は、なかなか厳しいものがある。一方こちらは、年金暮らしで、特にしたい事や買いたいものが無いのを幸い、倹約を旨とした生活に馴染んでいる。

たまに会話を交わす相手も殆どこちらと似たような浮世離れしている連中なので、景気の動向なんかは話題になり難い。まぁ、娘の家族のことなど考えると日銀短観を信じてやりたいのだが、連れ合いの言うことにも一理あるかもしれぬなんて思ったりして。

実は先日高校同窓会で聞いた講演の中で、超電導の研究では日本随一とされる北澤宏一先生が面白い事を仰っていた。曰く「経てものはですね、科学計算に基づいて将来予測をする場合、良くなると答える人が半分くらいと悪くなると回答する人が同じくらい必ず出てきます。回答が一方に偏らないのが経済というもので、いつの世でも儲ける人と損する人の両方が出るようになっています。」「私は、今後原発の停止状態が継続することで日本の景気は良くなると思います。」と締めくくられた。

日銀総裁を含め政治の世界でも、景気について尤もらしい議論が続くが、先生から見ると「何を下らぬことを言っているのか。喝!」と言うことかもしれぬ。

0 件のコメント: