2013年12月15日日曜日

高校同窓会

昨日は午後から東京長高金鵄会と称する高校の同窓会があった。銀座のホテルに10期も先輩の大長老から40期下の若者まで総勢140人近く集まって賑やかなことだった。カラオケは行かないがこの時ばかり校歌と信濃の国の斉唱に加わるのが楽しみである。きっと皆同じ思いだろう、音量が凄まじい。こちらの調子は大分外れているだろうが誰も文句を言わないので気持ちが良い。

いつものことだが、懇親会に入る前に必ず同窓生の文化講演がある。これがいつもまた大きな楽しみで、今回は娘と同じくらいの若い政治学者で慶応大学の先生でテーマは「政官関係と人材育成―近代から現代へ、長野から東京へ」明治維新以降、日本の骨格を作った人たちがどんな教育を受けたかについて、相当念入りに研究されているようだ。明日以降、彼の書いた本でも本屋に探し行こうと思っている。

もう一つあって、こちらは3期下の学者と元官僚と元福岡高裁長官といずれも税金で高禄を食んだ偉いさん達。共通のテーマが「日本の知的財産戦略を語る」。一見する限りつまらなそうだが、意外と面白い。民間だけが日本の経済を引っ張っていて、官僚は規制することで自ら甘い汁を吸っている。と考える向きが多いと思うが、今度の講演を聴くと官僚も捨てたものだはなさそうである。まだ緒に就いたばかりのようではあるが、アイディアそのものがお金を生むことについては相当後進国みたいだ。

日本人は民も官も、研究をお金にするには製品開発しかないと思ってきた節がある。ips細胞の中山教授がテレビで喋っているのを聞いたことがある。アメリカの研究機関の周辺には、生物医学に知識も博士号クラスのビジネスマネージメントの専門家がわんさと寄ってくるシステムになっているらしい。従ってips細胞を生かしたビジネスモデルが日本で開発される頃には、莫大な特許料を欧米に支払うような結果にままなるのだそうだ。

官僚だけでこれを防戦することは難しいだろうが、官が民に対してビジネスを促進できる環境を徐々に整えることは可能だろう。人からコンクリートも結構だが、ソフトパワーを本当に理解できる優秀な人が現在の政官界にどれほどいるかがこれからの問題であろう。その最先端に母校の後輩たちが頑張っているとすれば母校は捨てたものではない。しかも同期生が図らずもかどうか知らぬが、力を合わせたと言うことが珍しい。

自分もそうであるが、大体信州人には「俺が俺が」で、他人に手柄を立てさせるとか、他人と強調する精神に乏しい人間が多いとされている。猪瀬都知事なんかが典型的かもしれない。しかし根が貧乏だから、諦めのが良いことと潔さは美徳としたものだが、最近こちらは薄らいでしまったようだ。

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