2013年11月3日日曜日

報道横並びで思うこと

我が国を代表する美術展かと思うが、本年度の日展開催に先立ち、書道の部で入選者が各流派に割り振られていたことが判明、世の顰蹙を買ってしまった。結果、全ての部門で文部大臣賞やらなんやら、賞を全部辞退することにしてしまったらしい。展覧会を見に行っても、タイトルの横に誇らしげに張り出される受賞の証しがついた作品は皆無となるらしい。美術を鑑賞するのに不要なものだから、すっきりして良いかもしれない。

しかし出展者には少し気の毒な気がしないでもない。趣味道楽で出展している人もいるだろうが、プロとして出展するとなると、受賞が作品の市場価値の向上に繋がるのは間違いないだろうし、それを目指して頑張っている人からすれば張り合いが無かろうに。発端が誰の告発で、動機が何であったかも知らないが、マスコミが取り上げさえしなければ(みのもんた氏の科白になってしまうが)、こんな騒ぎにはならなかったろう。

第一マスコミはこんなことはあり得ないことと本気で思っていたのだろうか?
全く部外者ながら、あって当たり前のことではないかと思いたい。たまたま日展が槍玉に上がっているが、今日発表の叙勲なんかはその最たるものではないか。元経団連会長が勲1等(現在この名称を使用していないことは知っているが、正確な名称を知らないので乞うご容赦)に叙されているが、これも御手洗氏個人の力量が国家に貢献した訳でもあるまい。

たまたま経団連なる流派に割り当てられ、そこのボスを長年勤めたことへのご褒美であるのは自他共に認めるところだろう。御手洗氏は御手洗氏で、書道流派家元が弟子の作品を取り立てる如く、自分の部下を取り立てて、自分より少し低い勲章が貰えるよう総務省などに働きかけているのはごく常識的な話で、別にマスコミに叩かれるいわれは無いようだ。

そもそも日本では事の善悪は別として隅から隅まで村社会、部落意識が横行している。これは何も原子力村に限った話でもなく、美術の世界にあったとしても不思議はないだろう。ヨーロッパにだってギルドとか同業者の組合があったのだから、美術にもロマン派とか印象派とか流派があってしかるべきボスが君臨して市場をコントロールしていたかもしれない(単なる冗談です)。マスコミが正義漢ぶるのは結構だが、どうせするなら、いっそ叙勲の階級を全廃させるとかまで徹底的にしてほしい。

レシピの偽装または誤表示にして同じこと。芝エビもバナメイエビも食感に違いないならどっちでも良いとは言わないが、一頃よく言われた米の産地とか品種の偽装問題なんかの方が、問題としては余程大きいと思う。

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