2013年10月5日土曜日

歴史を無視する罰当たり

先日来日したアメリカのケリー国務長官とヘーゲル国防長官が、千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪れて献花してくれた。アメリカの政府高官もやっと敵国であった我が国の兵士に敬意を表してくれたことに、感慨深いものがある。特に場所が靖国神社でなかったのが余計に良い。一部には安倍総理が5月に訪米した際、靖国神社を米国のアーリントン国立墓地になぞらえたことに対するけん制とみられ、安倍首相の歴史認識に対する批判とも言われている。兎に角アメリカは交渉でも何でも、相手国を徹底的に研究しているらしい。

アメリカ政府はお金が無くて大変なようで、高官が二人して属国日本に「もっとカネを出せ。」或いは「もう少し召し上げるぞ。」と宣言しに来たように思えるが、勿論そんなことを言う人はいない。政府筋は2+2協議と称するらしいが、このために先方から日本に足を運んで開催できたのは画期的なこと自慢している。しかし帰り際に先に述べた戦没者墓苑参拝で、出来の悪い子供に何かを教えたいと思ったのだろう。

アメリカにしてみれば、自民党の1党独裁が長かったせいもあるが、日本は政府や官僚も結構優秀で、しかも性格も素直で比較的御しやすいと思っていたに違いない。一時は自民党以外の政党が主導権を握ったことも何度かあるが、基本的な対米関係は何も変わらず平穏だったはずだ。それで図に乗ったように、チンピラのお兄さんがバシリの手下を扱うように、日本に対して言いたい放題、やりたい放題の難癖を付けてお金を巻き上げてきたのがここ数十年の歴史だろう。

安倍政権も基本的にはその延長線上にあるのは間違いないのだが、手下のくせに兄貴に忠義立てのつもりで、時々とんでもないことを言いだすので、少し困っているのではないだろうか。アメリカの若者にとっては不幸なことだが、アメリカの若年人口は増え続けていて、兵隊さんの供給源に不自由はないみたいである。問題は彼らに支払う給料、即ちお金さえあれば世界中で戦争をし続けるつもりだろう。

集団的自衛権の解釈変更なんてことで、弱い兵隊なんか送り込まれた日には却って足手纏いで有難迷惑だろう。余計なことを考えずに従来通り、こちらの命令に従ってくれが本音だろうに。腹の中ではそう考えているに違いない。第一属国の政権が替わるたびに、宗主国が何十年も続いたこれまでの関係を説明するのでは疲れるだろう。当たり前のことではあるが、向こうは政権政党が何度も交代しても、基本的外交関係が崩れることはない。そのために例え秘密であっても外交文書の保管しっかり保たれている。

比較して我が国を振り返ると、外交の基本がわかっていないのか、秘密扱いの外交文書が何万点も廃棄処分されているとのこと。彼国で秘密扱いが終わって公開されて文書の日本側文書が見つからないのは日常茶飯事だ。民主党時代の政策を全てひっくり返すのは国民の為を思ってか知らぬが、外交関係、しかも自分の身内先祖が関わったことまで、歴史の意味も勉強せず手を付けるとは、罰が当たらなきゃ善いが。

0 件のコメント: