2013年10月25日金曜日

国会論戦

先週から昨日にかけて、久し振りに国会論戦がテレビ中継された。先週の総理の所信表明に対する与野党の代表質問は毎度のことだが、論戦と言えるものではないので殆ど見ていない。今週の予算委員会中継は一応1問1答形式なので、野党の質問中心に数人分のテレビ中継を見た。攻守が異なる前政権時代に比べると、質問者側が随分謙虚でおとなしい、が第1感である。厭らしいかどうかは兎も角、言葉尻の突込みはオリンピック招致委員会における総理の発言「完全にコントロール」くらいかもしれない。

全体的に建設的な質問や要望が多かったように思うが、受ける政府側は野党の意見なんか歯牙にもかけていないのだろう。聞かれたことについてまともに答えず、聞かれていないことについて延々と喋るスタイルについては本当に何とかならぬものか。野党側も福一の汚染水がらみの揚げ足取りはもう止めた方が良い。政治家にはカエルの面に何とかだし、現地で作業している当事者の感情を傷つけるだけだ。それにしても、福一の作業員数が、半年前に比べると3割以上減っている事実が指摘されたことには驚いた。

正確な数字は忘れたが、4千人以上働いていたのが2千5百人以下になっていたと記憶する。東電も請け負っている業者も作業員確保には懸命になっているのであろうが、作業員はもとより有限である。被曝条件が一定以上なると外さざるを得ないとなると、人材の供給源が縮小することは誰にでも分かる。汚染水タンクの置き場が無くなるのと同じくらい根本的問題のように思うが。政府が前面に出るとか、汚染水管理の要員を倍にしたとかの報道は一体なんだろうか?

口から出まかせを言おうが、嘘をつこうが政治家は許されるなんてことがあって良いはずはないが、政府の答弁を聞いていると、無学の小生には意味がよく理解できない分だけ嘘っぽく思えてきてしまう。民主党の質問者は頭の良い議員を選んだ感があり、やや学者、いや先生風で馬鹿な生徒を指導するような感じだ。内容もマクロ経済政策とかなので馬鹿の一員としてコメントは控えたい。
面白かったのは参議院の共産党小池亮氏、実は先の選挙で比例に彼の名を書いて投票した期待に応えてくれた。

小池氏の質問は流石に共産党だけあって生活実態に即した具体面から入っている。今回は労働政策が中心であった。先ず総理に対する冒頭の質問「本当に景気が上向いていると思っているか?」総理は例のごとく直裁に答えないで、耳にタコができるくらい聞いているお話「成長率が昨年昨年4-6はマイナスX%7-9がなんとかで・・・今年の4-6には3.8%に上がってきているではありませんか。設備投資も上がってきたし消費も増えている。そういう中に於いて景気の腰折れさせないよう政策を実行しているのです。」

更にデータに基づいて突っ込むと、これまた決まり文句「過去デフレ下にあって賃金が物価以上に下がってきていた訳です。デフレを跳ね返して賃金を上げていくためには強い経済が必要で、そのためにはタイムラグがあります。今必要なのは何と言ってもデフレから脱却のマインドチェンジであります。」読者も耳にタコのことだろう。これは前座のやり取りで、小池氏の質問は政権が取ろうとしている労働政策(規制緩和の名の下で非正規雇用拡大を意図する)を厳しく批判するものだった。

こんな労働政策で強い経済が生まれるなん想像もつかぬが、先ほど受信したTPP反対議員のメルマガにこれがTPPと大いに関係があり、アメリカの強い要望に所以する。このことも興味深いが機会を改めたい。

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