2013年9月11日水曜日

お宝鑑定団

テレビ東京の番組なので見たことが無い方も大勢いらっしゃると思うが、小生現役時代の4半世紀ほど前から始まった人気番組で、視聴者が我が家のお宝を専門家に鑑定して貰う仕組みである。本放送は火曜夜8時からの54分番組。原型となる番組はイギリスにあったと聞いている。好きな番組の一つだが、NHK9時のニュースとの関係で丸々見ることは少ない。昨日も後半30分みたが面白かった。

20年以上続く番組なので、もう大したお宝は出てこないだろうと思っているのだが、日本の民家に眠るお宝は多いようだ。昨日は最後にお宝が飛び出した。古伊賀の壺である。しかも口とでも言うべきか上の縁が大きく欠けている。鑑定依頼人は滋賀県に住むお婆さん、お父さんの形見だそうだ。お父さんが骨董好きで、婆さんの年金に手を付けてまで購入した物らしい。ところが普段褒めてもらっている骨董仲間から「これだけはメガネ違い」と言われてしまったそうだ。

「それでもお父さんは、めげずに毎日布で壺を磨いていたので、父を信じて鑑定をよろしく願います。」ここで有名な骨董商中島誠之助氏が登場して、壺を手にしたり寸法を計ったり、箱を念入りに見たりする。そして席に戻って結果を発表するのだが、この語り口の評判が高い。欲ボケや勘違いで紛い物を持ち込む視聴者も少なくないが(番組の狙いでもある)、偽物であっても視聴者の気持ちを傷つけない配慮と、本物であった時の断定のしかたが人気の秘訣になっている。

昨日は視聴者が希望価格を300万円としたのに対し、結果が350万円と表示された。勿論スタジオに居た視聴者のおばさんは感激で声も出ない。いつもなら中島の「本物に間違いございません。」が出るところである。しかし昨日はその声が聞こえてこなかった。「これは古伊賀の壺ではありません、古丹波の壺なんです。」から始まり出品作の評価されるべき事柄が延々と続く。代々骨董の類とは全く無縁に来ているので、何の参考にもならぬが大変面白いことは事実だ。

今もそうだろうがテレビ東京の看板番組であることもよく分かる。子供の頃、祖母の家に行っては古い道具類をなにかと貰ったことを思いだす。勿論鑑定の価値あるものでもなかったろうが、ものを大切にしない悪い癖のようで、我が身の回りにコレクションは何一つない。そんな話をしていると婆さんが「面白いものを見せてあげる。」と言って古い10円紙幣を取り出した。確かに見覚えがあるがいつの頃のものか分からない。色は緑1色で円拾と右から左に書いてある。

ささやかであるが、こんなところにも夫婦の性格の違いが表れている。

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