2013年9月13日金曜日

葦の髄から天井を覗く「化学兵器」

先日ブログ友達から教えてもらったことだが、地球上の動物で同種同士が殺し合いをするのは人間だけだそうだ。かなり獰猛に見える動物でも、己のテリトリーを守ったり、雌を奪い合ったりして激しい戦いをしても、相手を殺すまでは至らないのが普通らしい。言われてみると異種同士の場合は、相手を食用にするために殺し合うシーンをよく見かける。しかし同種同士で意味のない殺し合いは確かに見たことが無い。

他の動物に比べて脳みそが大きいとか、万物の霊長とか偉そうなことを言っても、所詮は極め付きの野蛮で危険な動物らしい。どこかで罰が当たって人類が滅亡することが無いよう祈りたくなる。意味無き殺し合いが人間の性であるとすれば非常に残念ではある。従って平和ボケ日本人なんて言っても、本性を剥きだす人間が出てくるのは仕方ないかもしれない。ちょっと1世紀半ぐらい前までの日本を考えれば、武士の家に生まれたら殺し合いはおろか、佐賀藩の「葉隠」ではないが、先ず死ぬことを真っ先に刷り込まれて、いざという時に自殺する覚悟をさせられた。

小説にもしょっちゅう出てくる台詞で「喧嘩をする時は相手を殺して、後で自分が切腹する覚悟が必要です。」があるが、子供の頃に似たようなことを祖母から聞かされたような気もする。幸い我が家は苗字も満足に無い百姓の家系だったが、母方の祖母は武家の出で、武士の気風を多分に持ち合わせていて好きだった。明治維新直後の戊辰戦争についてはニュース映像が無いからいいようなもので、新政権側だけではないかもしれぬが、悪逆非道は酷いものだったらしい。首を晒すだけではなく見せしめに遺体に手を触れさせず、半年も放置させてことがあるらしい。

想像を絶するような遠方に感じるシリアでの残虐行為に、アメリカ大統領がレッドラインを超えたと声高らかに非難している。今日たまたま在日イラン人の政治学者の次の話を聞く機会があった。「イラン・イラク戦争当時、サダムフセインはイランに対して大量の化学兵器攻撃をして、イラン兵士が大量に死んでいる。その攻撃を武器・情報あらゆる面で支援していたのがアメリカではないか。自分が使うのは善いが、他人は駄目とは理屈が通りますか?」

安倍総理がシリアでの化学兵器使用について「非人道的」とか何とか言うのは非難するに当たらないかもしれない。ロシアの外交努力も同様としよう。しかし、非人道的兵器であるならばなぜシリアだけが国際監視下に置かれなければならぬか?誰も疑問を呈さないが、不思議でならぬ。ベトナムに撒き散らした枯葉剤を語るまでもなく、化学兵器の最多保有・生産国はアメリカとロシア、序で英国だったかな。リビアやイスラエル、きっと中国も多いのではないかな。多分化学兵器に関しては、皆忘れたような顔をしているが、我が日本は悪名高い731部隊で先駆者にあたる。

サリン攻撃の経験もあることから、当然自衛隊にも化学兵器研究セクションは設置されているだろう。兵器が無ければ研究は出来ぬだろうし、セクションも何とか研究所かもしれない。葦の髄から天井を覗いても見えるものは殆ど無い。

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