2013年4月23日火曜日

外国との付き合い

世界的な傾向として先進国では景気の停滞が問題視される中、最近の日本は国内景気が上向きそうな話が多い。ちょっと不思議に思うが、政府や日銀の首脳が次元の違う舵取りをしていると自ら言っているのだから、素人に分からないのは当たり前だろう。しかし「次元の異なる」とのもの言いは、常識とかこれまでの積み重ねて来た経験値を全部否定するかのように聞こえるので、保守的且つ常識人と自負する者からすると厭な言葉だ。

それでも世間が明るくなっているのは事実のようだし、そのうちに少しでもおこぼれに与れるとすれば結構なことだから、「はあ、そうですか」と黙って見ている他あるまい。国内経済はそれでいいが、安倍政権の外交について、こちらも次元が異なる方針なのか、しっくりこない感じである。従来我が国は「非武装中立」を目指した時期もあるが、米ソ冷戦時代に日米安全保障条約の締結でアメリカの傘に守ってもらうことになったのは已むを得ざる事だったろう。

ところが最近何かの本を読んで気になりだしたのは、日米安保がいつの間にか日米同盟に変化していることである。中曽根さんの時代あたりかもしれないが、アメリカと一緒に戦いましょうてな雰囲気が生まれてきて、小泉さんの時代イラク戦争にコミットして日米同盟の既成事実化が進んでいる。マスメディアの正面に出てこないが、自民党の中でもこの流れに危機感を抱いている人間は居るはずだ。しかし現政権では、この流れが加速していることは万人の認めるところ。

まあ、外交は政府の専権事項だから老いぼれ一人がぼやいても仕方がないのは百も承知だ。それにしても広い世界なのだから、バランス感覚のある外交戦略を考えてもらいたい。まして安倍さんが口先では大事な隣国と言いながら、実際の行動ではまるで反対になっている中国や韓国との関係は心細い限りだし。ロシア外交に関しても来月訪問はするようだが、先日の森元首相とプーチン会談で少し光明が見えたからと言って、いきなり財界人を大勢引き連れて訪問するのも如何なものなんだろうか?

先方が日本の経済協力を期待しているのも事実だろうが、いきなり物欲しげな連中を引き連れての訪問はアメリカ大統領のスタイルを真似てみてるだけで顰蹙を買わなければいいが。どう考えても先方の期待値とこちらの期待値がすれ違っているとしか思えない。幾らアメリカと同盟関係があるにせよ、外交だけは自主的な判断が必要である筈。日本政府が杖とも柱とも頼るアメリカ政府は、一方で中国を仮想敵国としながらも経済では最重要国として強かな外交を展開している。

北朝鮮の暴発阻止なんかの連携を見ていても、多分大人の付き合いが出来ているのだろうと推察して間違いなさそうだ。勿論2国とも日本には何の気兼ねもないだろう。日本がアメリカに気兼ねをするのは仕方ないにしても、もう少し頭を使ってほしいものだ。個人だって友人は多い方が心が豊かになる。

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