2013年4月21日日曜日

考古学の教養講座

昨日も寒かったが今日はもう真冬の寒さである。長野の弟妹の日記を見ると、昨夜から雪が降ってかなりの積雪になっている。桜の花が雪で薄化粧をするのは風情があるとか何とか言っていられるが、見事に咲いたチューリップが雪に覆われているのは痛々しい。昨日は久しぶりに三田の慶応キャンパスで開かれた講演会を聞きに行って帰りが遅くなってしまった。

講演が14時からだったので、キャンパスの近くで昼食を摂るつもりで出掛けた。久し振りではあったが、慶応の学生街はこんなに喰い物が貧しかったかと改めて思い知らされた。早稲田の高田馬場からキャンパスにかけての繁華街とはとても比べものにならない。勿論大学が集中する神田周辺なんかとの比較は論外と言える。我々が通っていた頃は、店の数はそんなになかったにせよ、もう少しこじゃれた店があったような気がするが、食券をコインで買うような店ばかりであった。

キャンパスも大分近代的になっているし、建物の配置も大分変っていた。当時幻の門と言われた正門は、まるで城門のように立派な建造物になっている。
しかし教室の雰囲気は昔と大差はない。固く窮屈な椅子と机が二人分ずつ引っ付いて並んでいる。一寸大きな鞄なんか置くところに困りそうだ。図書館が拡張されたらしく、閲覧室が中庭から見えていた。入って見たかったが、時間も無かったし、多分学生証が必要だろうから無理だったと思う。大学は学問の場だから余り居心地を良くする必要もないだろうが、案外慶応て貧しげだな思ってしまった。

講演会は第73回慶応あるびよんくらぶ・土曜教養講座「アレクサンドロス大王東征が築いた一大文化圏」講師:前田耕作先生
主催しているのはOB有志で1年に6,7回開催しているみたいだ。元同級生が幹事で以前から誘われているので、興味があるテーマについては時々顔を出している。受講料は千円だが下手な映画を見るより面白いことがある。誰が企画してくれているか知らぬが、なかなかなものである。どうも会の中心メンバーが我々より少し上の人らしく、聴衆も小生より上に見える方が多かった。

今回の前田先生も出身が名古屋大学で和光大の名誉教授なので慶応で教鞭をとられたことはないみたいだ。しかし現在アフガニスタン文化研究所所長でアジア文化研究の考古学者としては第一人者らしい。10年前からアフガニスタンでバーミヤン遺跡の修復保存事業に尽力されており、外務省から渡航禁止令が出ているアフガニスタンに、特別許可を得て毎年入っていらっしゃるとのこと。テロ事件の報道にしか接していない我々が想像するのとは全く別次元の見聞録なので、長時間聞いても飽きることが無い。

アレキサンダー大王については、ギリシャの片田舎マケドニアに生まれてアジアの方まで征服した人物との漠たるイメージはあったが、たった2時間強の話を聞くだけで、2千数百年語り継がれるだけに桁外れの偉人だったことが少しわかってくる。歴史に名を残した人の物語は国を問わず面白いが、我が国の戦国武将の物語の比ではないものがありそうだ。惜しむらくは後継者争いで王朝が続かず、ピラミッドのような大きな遺跡が残せなかったことか。

であればこそ、考古学者の活躍や話が面白いのかもしれない。 余談ながら以下は関連番組です 22日NHK BS1 22:00「ワールド WAVE」▽特集:アフガニスタン・破壊の危機にひんする仏教遺跡。鉱山開発か遺跡保存か

2 件のコメント:

トパーズ さんのコメント...

先日、NHKのエジプト発掘という番組で、今年4月10日に、
トルコの遺跡から、クレオパトラの妹、アルシノエの墓所と遺骨が
発見されたとの報道。頭部は、見つからなかったものの
当時の記録が残っており、復元が可能になりましたが、
絶世の美女と詠われたクレオパトラの妹らしからぬ顔だちに
ちょっとがっかりしました。現実は、こんなものでしょうか・・・

senkawa爺 さんのコメント...

トパーズさん
コメントを気づかずに失礼しました。
いくら科学が進歩したとはいえ、見つからない頭部を復元するなんてよくするものですね。
考古学のロマンが半減してしまいます。