2013年4月18日木曜日

彼の欲するものは悉く与え、我欲するものは未だ一つも得る能わず

明治4年岩倉使節団の一員として渡米した木戸孝允が、不平等条約改定を悉く蹴られてタイトルのように嘆いたとされている。

前回総選挙自公圧勝で政権交代が実現し、今度の参議院選挙でも自公圧勝と見込まれている。参院選が終われば新政権はやりたい放題だろうが、今のところは安全運転をしているそうだ。16日には目出度くか、25年度予算が衆議院で成立した。何でこんなに時間をかけているかも不思議だが、誰もそんな事は言わない。そこで誰が何を考えたか分からぬが昨日国会で党首討論が行われた。以前からこの党首討論なる代物「国家基本政策委員会合同審査会」と大仰な名前の割に、時間が極めて短く内容も薄っぺらに過ぎると思っていた。

多分これをまともに見る暇な日本人は少ないと思うが、昨日午後3時から約50分この党首討論を見た。それは薄っぺらさが更に顕著で、それぞれの野党党首に割り当てられた時間は民主党海江田氏25分、日本維新の会石原氏15分、みんなの党渡辺氏5分。時間の中には総理の発言時間も入ってくるので、とても討論なんて呼べたものではない。3人の野党党首は安倍総理の引き立て役として連れてこられたようなもので、正に総理の独擅場。一番長い時間を持っている民主党海江田代表なんか政権に異議を唱える気力も失せ、泣き言を言っているようにしか見えない。

維新の会石原氏やみんなの党渡辺氏に至っては、まるで与党議員がお追従言っているのと変わらない。4人とも健全な国民が民主的な選挙で選んだ政治家の代表だから今更何をか況やではある。この体制が5年も10年も続くことはないと思うが、年寄りの目から見て、野党の影がこんなに薄い状態が長く続くことは決して国民の幸福につながらないように思う。何故か、宗主国気取りのアメリカが益々我が国を好いようにハンドリングし、悪く言えば食い物にする危険を感じるからである。

マスメディアに登場しない識者の中には次のような事をはっきり指摘する人もいる。「アメリカは如何に属国視していると雖も、日本をハンドリングする時に無理押しはしない。外交戦略に関しては目標を設定したら非常に長いスパンであろうと着実にそれを達成する。特に外交と言う国家戦略に関しては民主、共和に政党間に基本的相違が無いと知るべきである。」言われてみればその通りだろう。外交戦略と国内政治は別物であるのは日本も同じ筈だ。

沖縄普天間の問題であれ尖閣問題でも、国家的国民的見地を何故共有できないのか?いずれにせよアメリカは日本の政治状況を間違いなく喜んでいる。これから当分の間、何をしようとアメリカの思いのままなる筈。小泉政権の時代の「構造改革」で国の形が随分変わった。その後野党が台頭したのでアメリカ的には少し手が出しにくかったようだ。ハンドリングしにくい政権が出来たのでは元も子もない。でも彼らは辛抱強い、待った甲斐があって今日が巡ってきている。それこそこのまま行けばアメリカのやりたい放題である。

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