2013年1月5日土曜日

無趣味の暇つぶし

寒の入りだけあって寒い。寒すぎるくらいである。年を取って困るのは仕事が無いばかりではない。遊ぶことにも一苦労しなければならない。若い頃に休みが楽しかったのは、遊ぶことが沢山あったからに違いないと改めて思う。
趣味と言えば精々ヘボ碁くらい、これとて友人と打つわけでなく、パソコンを通して見知らぬ人との対局ばかりである。たまに良い碁が打てたと思う時もあるが、一人で思ってみてもつまらない。

最近は黙然として事務所で一人パソコン囲碁をする機会が多い。今日も結局これで日が暮れてしまった。囲碁であっても心が通い合う人間同士で対局して、初めて興趣が湧くと言うことが分かった。特段の用事が無くても「飯でも食おうよ」声を掛け合う友人が本当に居なくなってしまった。未だに仕事をしている友人が何人かいるので、仕事でも始まれば事務所に電話して、お茶ぐらいは付き合ってくれるだろう。

休みになると「待ってました」とばかりに遊ぶことを相談した友人が幽明境を異にしたり、遠くに行ってしまったりしたのは寂しい限りだ。テレビを見ようと思っても碌な番組が無いし、映画や演劇も興味が湧かない。読書をしようと思っても適当な本を見つけることさえ面倒くさくなってきた。それでも足腰を鍛えておかないといけないと言う気持ちだけはかすかに残っているので、毎日少しずつ体は動かしている。

しかし暮れに同期の友人の薦めで深沢七郎の名作とされる「楢山節考」を読んでみた。このブログに読後感を書こうと思ったのだが、若い時読んだ感想と全く異なり、身につまされてと言うか、書き様がないのでやめている。信濃路にある姨捨伝説からの書かれたものとされるが、老人が若い世代と上手に交代するには老人が元気が良すぎるのは考えものだと示唆している。

確かにこれも一理あると考えながら年を越したので、70過ぎたこの俺が足腰鍛えてどうするの?てな疑問も生じる新年最初の週末で先が思いやられる。

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