2012年12月6日木曜日

師走の風景

巷には宅配便と選挙の街宣車が走り回って慌ただしい雰囲気だ。年金で辛うじて生きている身なので実感が無いからかも知れないが、不景気という言葉について疑問を抱かざるを得ない。夕べなんぞ宅配便の配達が夜の8時頃あった。対応した婆さんによれば「まだこんなに残っているのですよ。」と伝票の束を見せつけられたそうだ。いくら歳暮のシーズンに入ったからと言っても、本当に不景気なら物流がこんなに活発になる筈もあるまい。

数日前のことになるが、公務員住宅の家賃がほゞ2倍になるとの報道もあった。これまでかなり安い家賃であったにせよ2倍とは、ゼネストが起きても不思議はないと思うが、これに関する後追いのニュースを聞かない。公務員の子供だっただけに、今の公務員はそんなに余裕があるのかと変な安心感を持ってしまう。小泉内閣時代の構造改革で日本社会は経済的格差が拡大していると聞くが、ウィークデイの昼間に街中で見かける老人連中は誰が金持ちで誰が下層階級か見分けがつきかねる。

同じ観察眼を以てこちらを見ても、経済階層の奈辺に属するか見当つけるのは難しいだろう。個人的には、日本は相変わらず羊羹型社会に思えてならない。尤も、本当のお金持ちはその辺をうろうろなんかしていないのかな。でも先週帝国ホテルに行ったが、ここでも日本人は皆似たように見えてしまった。婆さんに言わせると「最低!」と切り捨てられる日本の政治家であるが、今回の選挙をに立候補している面々の人相、有権者に訴える内容、これらも全て羊羹型に見えてくる。

ここ10年か20年くらいの間、収入が飛躍的に増えた人が殆ど無く、大部分の人が贅沢を慎み、平均的に少し貧乏になっているならお歳暮の数も大幅には減らないし、師走の街の風景にも大きな変化はないのだろう。10日先の投票結果で、党会派の優先順位は多少入れ替わるのだろうが、大多数の人間にとって如何程の変化がもたらされることになるか。殆ど何も変わらないと思うのだが、そうなったらなったで喜ぶべきか残念とすべきか悩ましいことだ。

このように極めて平和な日本をメンテナンスしてきたのは一体誰と言えばいいのか?政治的に言えば基本的な骨格は自民党が作ったようにも見える。しかし笹子トンネルではないが、自民党が官僚に丸投げして作ってきた国家も経年劣化してきているのは否めない。これから先は自由主義路線を行くか民主主義路線を選ぶか本気で考える必要もあろう。どちらを選ぶにせよ、軌道に乗るまでこちらが生きていられるかどうかは分からない。

0 件のコメント: