2012年10月10日水曜日

少しは見倣え「第一回 米国大統領選TV討論」

連休後はノーベル賞受賞が決まった山中先生のニュースが殆どで、日本の馬鹿な政治家の顔を見る機会が減るのは嬉しいが、政治関連で報じられるのは反対政党への非難ばかりである。今少し真面目に考えてもらいたいので参考になりそうなことを少し書く。

先週3日にコロラド州デンバーで行われた米大統領選挙の第1回目の討論会が行われた。日本での報道では、映像で何となく落ち着いた雰囲気だなと分かるのみで、具体的な内容はネットでも参照しない限り全く分からない。例えネットを参照しても、英語がチンプンカンプンでは同じことである。

日本では具体的内容報じないくせに、結果は共和党のロムニー前マサチューセッツ州知事の弁論が冴え優勢で、オバマ大統領の守勢に回ったので、支持率で優勢であったオバマ氏が支持率を落とし選挙がますます接戦になっていると、相も変らぬ政局絡みのことばかりが報道されている。従って、米国といえど日本と同様で政治家の論戦とは、内容的に汲むべき事は皆無にして、クイズ番組出演のタレント一騎打ちと同レベルかと思っていた。

ところが、連休中のメルマガをチェックしていて面白い記事を発見したので紹介したい。ニューヨーク在住の作家冷泉彰彦氏の『from 911/USAレポート』からである。どちらが勝ったとか負けたとかでなく、先ず冒頭に「具体的な政策を巡って細かな点まで理解した、優秀な政治家同士のちゃんとした論戦であった」と明快に述べている。

山中教授がノーベル賞を受賞したり、スポーツ選手が国際的に頑張ったりしてくれて嬉しい限りだが、政治家が己の使命を何と心得ているのか知らぬが、頭の悪さと品位の欠如にはつくづく嫌気がさすばかりだ。本当はアメリカを礼賛したくないのだが、下記を読む限り「爪の垢でも煎じて飲め」と言いたい。

以下【】は上記メルマガからそっくり引用

【今までのようにキャラクターの「噛み合わせ」が不協和で、得意分野ではペラペラ喋っても、苦手な話題は避けたりすることがない。どちらかの主張が尻切れとんぼになったり、話題が曖昧なままで終わったりということもない。言ってみれば、極めて実務的に進行したのです。
また、双方共に露骨な中傷作戦は取らず、TV討論としては、例外的なまでに「品位」のあるものであったと思います。宗教や人種を巡る変化球作戦もゼロでした。

ロムニーはリビアでの米国大使暗殺にからんで、同国での「アルカイダの暗躍を許した」政権の失態を追及するかもしれないという噂がありましたが、それもなし。一方のオバマに至っては、ロムニーの「政府に依存している47%」うんぬんという大失言に関して攻撃を加えることを全くしなかったのです。

極めて特徴的だったのは、この90分に及ぶ討論の底流には、一つの大きなテーマが一貫していたということです。それは「財政規律」という問題です。特に2004年11月に、大統領の超党派の諮問委員会がまとめた、非常に厳しい財政規律案である「シンプソン=ボウルズ案」について、両候補が真剣に意識していたのが印象的でした。

勿論、民主党のオバマと、共和党のロムニーは、正にこの問題について、180度異なる哲学を持っているわけです。ですから、言い方も、そして言っている内容も正反対からのアプローチになるのですが、一貫して二人とも真剣に財政規律の問題を意識し続けていたというのは、特筆していいと思われます。】

今日は昼からまた信州に出かけるので簡単な思い付きを早めに書いた。

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