2012年8月20日月曜日

日の丸と勝手読み

終戦の月でもありお盆の月でもある8月は、多くの日本人があの戦争の犠牲となった人々の無念を思い、悲しみのうちに戦争の愚かさを憎んでいる事だろう。にも拘らず、周辺諸島の領有権問題が騒がしい。北方4島については、ソ連を引き継いでいるロシアと平和条約さえ締結できていないので、少し事情が異なるかもしれない。しかし竹島と尖閣については、曖昧であるかもしれないが一旦ある程度の合意が形成されている事では共通している。

なのにここに来て騒ぎが起きるのは何故だ?騒ぎを起こしたのは日本からすると中国であり、韓国側だと言いたいのだろう。そうかもしれない。しかしその挑発に乗って大騒ぎしている日本側も少し冷静になる必要がありはしないか。諸説あるようだが、次の総選挙の争点を消費税など国内の重要政策からそらせて外交問題に置き換えたい勢力が存在する。そもそも日中韓が仲良くなっては都合の悪いアメリカの仕掛けに嵌っている。この2点が主たるものらしい。

尖閣の海底付近に莫大な量の石油資源が埋蔵されていると、半世紀以上前に発表したのは国連らしいが、この発表自体がアジアが一つにならないようにするためのアメリカの仕掛けた陰謀との説もある。本当に埋蔵石油があればアメリカが黙っている筈はないのだそうだ。尖閣も竹島も日本からすれば漁業資源宝庫である200海里領海を守りたいだけのことだろう。現在は互いにこの島を根拠に領土を主張しあっている筈。

大体200海里の領海なんて発想もそんな古いものではない。少なくともこちらが学生の頃は12海里が領海で海原に国境なんか無かったと記憶している。海洋を独占することなく両国が共同で使用できさえすればいいではないか。島にどちらの軍隊が駐留しようと勝手にすれば。些か無責任かもしれないが、そういった話し合いこそが「小異を捨てて大同につく」だろうと思う。

なのに聞いていると、いい年をした爺さんから戦争を知らない若い小父さんまで、口を開くと「国益を損ねる、云々」である。日の丸のねじり鉢巻きはオリンピック応援の時だけにしてもらいたい。

因みに「勝手読み」は囲碁用語。相手の考えることをこちらの都合だけで考えて、大きな間違いを犯すことを言います。

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