2012年8月17日金曜日

残暑の徒然に

相変わらず残暑が厳しいが、今日はどういう訳か朝から何をしてもスムーズに進行する。一つ残念なのは来週も山歩きに行けそうにない。ぽつんぽつんと約束が入ってくる。聞けば皆さん、お盆の休みが終わったので久し振りに飯でも食おうよ、との話だ。さしたる楽しみも無い身なので、1年に数回しか会うことない友人からの誘いは基本的に断れない。山は暇さえあればいつでも行けるが、我々の年になるといつ幽明境を異にしなければならないか分からない。

今日は久し振りに読書でもしようかと思ったが、結局できなかった。代わりに、8月15日のNHKスペシャル「終戦 なぜ早く決められなかったのか」をオンデマンドで一人ゆっくり見た。数人の友人からも見応えありと聞いていたが同感、さすがNHKだ。日本官僚機構の悪しき伝統、国家全体への帰属意識の欠如から情報は全て縦割りで、己の組織に都合の悪い情報は全て無視してしまう。結果何十万人が無駄な死を遂げる。

今までの定説はソ連の参戦情報が無かったことが、終戦の決断が遅れた原因とされている。しかしソ連が参戦することは、ソ連侵攻が開始された8月9日の2か月も前のヤルタ会談直後、陸軍でも海軍でも複数個所から中立国の駐在武官情報としてに上がっていたのだ。原子炉がメルトダウンすることは分かっていても、東電や経産省にとって都合悪いとなると、広報担当の首を切って知らぬ顔をする。結果何十万人もの人が要らぬ被曝をしてしまう。

終戦末期の2か月で亡くなった人は30万人とも言われている。よく似た話である。現在の閣僚も殆ど同じで自公であれ、現政権党であれ、政権を担う政治家の何人が己の省を超えた日本国を意識しているであろうか。ちびっこギャングの財務大臣や野党の旧大蔵族の議員が財務官僚に踊らされているのは分からないでもないが、総理大臣までもが同様であったら余りにも悲しすぎる話だ。経済のことは分からないのでこれ以上は書かない。

序でに昨日書きかけたことに触れたい、一昨日「日銀が保有する長期国債の残高が初めて銀行券(紙幣)の発行残高を上回った。」報道があった。経済的に意味するところは理解できないが、少なくても日本はお札が幾ら出回っているかは公的に把握され、公表もされている。然るに韓国はお札がどのくらい刷られ出回っているかについては誰にも分からないらしい。そこで、大統領になった人間が、常に好きなだけの現金を秘匿してしまうのが通例で、これが大統領辞任後に殺されたり自殺に追い込まれる主な原因だそうだ。

丁度同じ日に数人の友人と食事をしていて、俄かに信じがたい法螺話と聞いていると、もう一人の友人が「日銀券にもちょっと怪しいところはありますが、アメリは完全にそうですよ。」と言い出した。アフリカで周りをコールタールで固めたブロックで持ち込まれたドル紙幣を見たことがあるそうだ。そう言われたので今朝調べて見ると、日本の銀行券(紙幣)とドル紙幣は意味が全く異なるらしい。面倒くさくて調査は途中で止めてしまったが、正確に理解できている人はどのくらいいるのだろうか?

2 件のコメント:

Don Koba さんのコメント...

「ヤルタ会談」(45年2月)でソ連の参戦が決まったという情報は、恐らく、連合国側は、日本の情報機関が、それを掴めるよう仕向けた可能性もあります。2月には硫黄島、4月には沖縄に米軍上陸。敗戦は超現実になっていたが、「本土決戦」を叫び、竹やり訓練をやらせていた軍部は、メンツを優先させていたと言うも愚かですね。天皇の赤子と信じさせられた国民は、当時の支配的な「空気」に押され、その挙句、討ち死に。
日本の銀行券とドル紙幣の意味が違うというのは、ドル紙幣が国際的な決済通貨の役割を持つが、日本円はまだその役割を持たないという点ですかね。
第二次大戦後の世界経済の仕組みは、戦争終結前の1944年7月、「ブレトンウッズ会議」で検討され、再度、世界経済支配を狙うイギリスが、ポンドを国際通貨にしようとしたのに対し、アメリカがドルで対し、ドルがキーカレンシーになったという経緯があります。最近、中国の元を貿易交換通貨にしようと、日本が中国と通貨協定を結んだのも、キー・カレンシーのドルを媒介しないで、直接、円・元取引を実現しようという動きであると同時に、アメリカ経済の相対的実力の低下を反映した動きだと理解できます。
日銀が国債を大量に引き受けることは、国の借金を日銀が肩代わりすることであり、日銀の財務省からの独立性維持と言う面から見て、よろしくないと言われています。背に腹は変えられないという財務省の理屈なのかどうか、国家財政の悪化は、抜き差しならない事態を意味しているのか、国民に対する十分な説明があるべきかと思います。

senkawa爺 さんのコメント...

Don Kobaさん
また丁寧なコメントをありがとうございます。
何れにしても先の大戦への反省が足りないと思います。

ドルの件は余りに難しいので、私は下記を読み飛ばしただけで、それ以上深く検索するのは途中で辞めてしまいました。でも日銀券とは少し趣を異にしているのは事実のようですね。
http://sun.ap.teacup.com/souun/796.html