2012年2月14日火曜日

議論になっていない

世の中が複雑になりすぎて分からないことだらけだ。凡人は難しいことが分からなくても生きていくのには差支えが無い。むしろ余計なことを知らない方が気が楽でいいかもしれない。しかし政治となると知らないではすまぬことがある。政治家といえど同じ人間だから、森羅万象を弁えろと無理を言うつもりはない。

国会における与野党のやり取りを聞いていると、議論がかみ合っていないことが多いように思う。素人考えなので間違っているかもしれないが、どうしても群盲象を撫でる感が否めない。どちらも尤もらしい事を言っているようにも聞こえなくもない。どちらも自分の主張が問題の核心をついているような風情であるので、小生程度の頭ではどちらの主張が正しいか判断のしようがない事が多い。

一例を挙げれば年金問題、自公が与党の希望する協議に乗らないのは国会の戦術だろうから措くとする。問題は争点の土俵になっている現在の年金システムの全体像が共有されていないように思えることにある。政治家の諸先生は十分理解できているのだろうか?他の年金資産はのことは別として、年金機構が保有する年金資産が140兆円とはよく言われるが、この資産が日々どのように変動しながら運用されているのか。

会計に関する相当な専門家でないと現状の把握は出来ないだろう。ましてそこから中長期の見通しを立てるには、相当数の変動要素を持たせないとシミュレートできないのも事実だろうし、となると当然会計知識だけでは追いつかなくなる。年金機構や厚生省や財務省にはそれなりの専門家がいるだろうし、幹部ともなれば専門家が計算する諸表を読み下せる能力を持っている人も何人かはいるだろう。しかし政治家は専門家ではない。

それぞれが役所にパイプを持っている筈だが、説明役の役所側はその時々で異なる。問題点がありすぎるので、説明は常に部分をなぞったものに終始する筈だ。年金機構が行けば機構に都合よく、財務省が行けばこれまた違った角度から自分に都合よく説明するに決まっている。同じ役所にしても説明に行く人間が違えば観点が違って当たり前。兎に角象(対象)が大きすぎて、ちょっとやそっとの説明で理解が出来る筈がないだろう。

与野党協議はしなくてもいいから、与野党揃って勉強会でも開き、しっかりした共通の現状認識(野田さんはあると言っているが、とてもそうは見えない)を確立すべきだ。それも一種の協議だから厭だと言うなら、誰かが素人を集めて公開の席で勉強会を開いてほしい。それをマスコミが小生如きにも分かるように発表してはどうか。最近は年金制度なんか止めてしまえとの発言まで飛び出しいる。既に貰うものを貰ったから関係ないと言えばそれまでだが、余りにも無責任に過ぎる。今後の投票の参考にするためには、現状の問題点をしっかり把握したうえで、子や孫の将来も考えて判断していきたい。

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