2012年1月6日金曜日

前向きに

自分の事について前向きに考えるべきことは殆ど無い。前方を見れば、下り坂の下にあの世の入り口が門を開けて待っているだけだ。しかしひと様の事、世間の事については出来るだけ前向きに捉えたいと思っている。従って、暗いニュースは極力見ない、聞かないようにしている。しかし毎日のニュースが昨年来暗い話題が多いので些か辟易していたが、年が変わって少し風向きが変わって来たのではないか。

象徴的なのは、昨日早朝築地市場で行われたマグロの初競りの報道だ。青森県大間産クロマグロ1本(269㎏)が5649万円で競り落とされたとの事。記録のある1999年以降では、2011年の3249万円を大幅に上回る過去最高値で、キロ当たり単価21万円は昨年の倍以上らしい。しかも落札したのが東京のすしチェーン店(「すしざんまい」運営の喜代村)で、ここ数年中国に最高のものを持って行かれた不名誉?を挽回したとある。

昨日は早朝から何度このニュースを見たやら聞いたやらだ。この店は全く知らなかったが、早速日記に書くくらいだから強烈なインパクトであった。社長さんの顔まで1日で覚えてしまった。偉いものだ、5600万円で仕入れた魚を店頭で捌いて、あっという間に店頭に並べて即日売り切ってしまったらしい。

勿論原価割れどころの騒ぎではない、一番値の張る大トロで1貫418円の通常価格だったので原価の何十分の一だったようだ。社長に言わせると「宣伝費と思えば安いもの」との事。これもその通りだろう。元広告営業の小生としてもシャッポを脱がざるを得ない。何となく全体ムードの落ち込んだ時こそ、この社長さんのように前向きな人にはチャンスなんだろう。事実近い所で見ても、そのようなケースが増えてるようにも思う。

小難しい経済、株や金融市場のことについては全くちんぷんかんぷんだが、こんなニュースが流れている国の景気が悪いなんて誰が言うのだろう。デフレが14年続こうと15年になろうと、国家の財政収支が最悪であろうと、100兆円の新年度予算が組まれて公共事業が目白押しに並んでいる。為政者即ち政権与党は頭が少しおかしいのでは、とも思うのだが、一方で再来年には消費税を引き上げると言っている。

財界は勿論本音では大歓迎だろう。大部分の市民からも文句は出まい。野党は政府に対する攻撃材料にするだけで、方法論に反対するはずもない。「運転手は僕で車掌は君だ」と言っているだけに過ぎぬ。日本列車は運転手に関係なく、ひたすら前向きに走り続けているとすれば目出度い限りだ。

0 件のコメント: