2011年11月16日水曜日

志が低すぎないか?

「自分の頭の蝿も追えずして、他人の頭の蝿の事を言うべからず」てな事は今時は何方も仰らないようだ。特に最近の政治家の言動を見ているとそう思う。

たまたま今日の日経ビジネスオンラインに「なぜ“首相育成システム”は崩壊したのか」が掲載されていた。御厨貴と池上彰の対談で御厨貴が語っている。結論的には、自民党の小渕政権時代までは派閥が首相育成システムとしての機能を発揮してきたが、その自民党も小泉総理時代に、首相自身がそのシステムを破壊したので、首相育成システムは喪失、民主党は当然ながら最初から全く機能が無いとの事だ。

当然の帰結として、首相の存在が軽くなって「誰でも首相になれる」「自分にもできる」と思わせてしまう。それが国会での罵詈雑言、又は汚いヤジになっているとしている。更に『その罵詈雑言を口にする政治家たち自身には実は「いつかは自分も首相に」という気概がない。』悪循環だと書いてあるが、多くの政治家がそうだとすると、日本人にとってこんなな不幸はあるまい。

昨日のニュースを見ても、全くこの記事に同感せざるを得ない。参議院予算委員会での自民党山本一太議員の質問とそれを煽る西田昌司議員のヤジ。最近のマイクの指向性が向上して、ヤジの音声は殆ど拾わない筈なのにNHKのニュースでさえ拾ってしまっている。テーマはPTAだかTPPとかの事らしいが、何れにしても外交交渉に関わることだ。外交は政府の専管事項でもあり、まして交渉の緒に就いたばかりで、手の内を晒すことなどありえないのは素人にも分かる。

質問すること自体国益とやらを棄損しかねないと思うがさて置き、余りにも品位を欠く質問とヤジには恐れ入る。うん十万の票を獲得して選ばれし議員様には大変恐縮ながら申し上げたい。お二方ともいつもテレビに出演されたり、活字になったりして目立っているので、よく存じ上げている。特に山本氏は安倍総理誕生直前から応援団としてその傾向が著しい。可愛げがあって面白いと思っていたが、福田さんがなる時も麻生さんになる時も同様の振る舞いであったので疑問を感じ始めた。

議員をご商売として考えれば、目立つことが最大の目的になるのだろうから、文句を言われる筋合いはないだろうと言えばそれまでだ。ましてや他人の応援をする事のどこがいけないのか、と開き直られても困る。老婆心までに申し上げたいのは、ただ一つ。「自分が総理大臣になることをお考えになって頂きたい。」

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