2011年11月6日日曜日

「日本食」ってなんだ?

農水省が今年度末までにユネスコの世界無形遺産に「WASHOKU(和食)」を申請する事に決めたとの報道がある。理由が振るっている。「原発事故の影響により我が国の食・農林水産物の信認が揺らいでいる中、日本の食・農林水産物に対する信認・価値の回復・向上を図ることが重要となっています。」となっている。

霞が関の官僚たちは余程暇なのか、或いは要でもない仕事を作り出して税金を無駄遣いする名人揃いの証明だ。ギリシャの役人を笑っていられない。又311の大災害もこんなへんてこりんな事にまで利用されたのでは、被災している生産者にしても一般市民にしても怒りたくなるのではないか。決まり文句のようなってきたが、もっと他にすることがあるだろう。

なんでもフランス、スペイン、イタリア、ギリシャ、モロッコ、メキシコの食文化がすでに世界無形遺産として登録されていて、これらの国が食の価値を向上するための取組としてやっているので、我が国も真似をしたいと言うことらしい。ユネスコの世界無形遺産にどんなご利益がるか知らないが、仮に登録されたからなんだと言うのか。東北の農林水産物の信頼性や価値がこんなことで回復すなら誰も苦労はしない。ふざけるな!

TPPも大騒ぎになって米作農家の存亡の危機見たい事が言われているが、国内産の米に手厚い保護を与え続ける一方で、国民一人あたりの米の消費量は半世紀にわたって下がる一方であることを農水所の役人が知らない筈は無い。また、和食と言っておけば、多くの人が反射的に米が中心になる食事と錯覚してくれると思い込んでいるのも大きな間違いである。日本食=和食=米中心の食事なんて思っている日本人は殆どいないのではとさえ思う。

現代日本人が主に食べる食事は、善悪は別にして正に国籍不明のユニークな食事と言えるかもしれない。だから世界遺産に申請と言うなら分かる。隣国同士なのにフランスはフランスパンを食べ、イタリアはパスタ類を食べる。理由は、硬水の多い土壌のフランスではパン用の小麦がよくでき、火山灰土壌のイタリアでは麺類にしかむいてない薄力粉しかできないから。と言った事とは日本人は無関係なのだ。見境なく何でも輸入して好きなだけ食ってきた。

それが急に、米作農業を死守するなんて大声を張り上げ、こんな下らない事に税金を費やすのだから本当に情けない。


以下の論文は篠原孝衆議院議員のメルマガからの引用である。彼もTPP参加に強硬に反対している。その事に賛同する訳ではないが、以下は一読に値する。
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(フランスの食生活を教える学校給食とひたすらケチる日本)
 フランスの学校給食費は約2万円である。日本は5000円に満たない。これをフランス人に言うと、高級ブランドを買い漁る金持ちの日本人が、子供の健康のもとになる学校給食費をケチるのかと質された。いまだ子供たちに先割れスプーンという便利なものを使わせている。それに対し、フランスは子供用のスプーン、ナイフ、フォークをちゃんと揃え、前菜(オードブル)、主菜、デザートときちんとしたフランスの伝統的食生活を小学校の頃から叩き込んでいるのだ。自国の食料なり食生活を守っていくことについて、政府も国民も一丸となって取り組んでいる。
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