2011年11月7日月曜日

リーダーシップ考

毎週熱心に読んでいるメルマガの一つに『from 911/USAレポート』 冷泉彰彦:作家(米国ニュージャージー州在住)がある。著者は1959年生まれで東大の文学部からコロンビア大学大学院を出た人で、文章も上手いし、日米社会の双方を比較しながら観察する目も確かで、事実を冷静に捉えて、過激な予測に走らないところが好きである。この人は自分で認めているが、大の野球ファンのようだ。

最新のメルマガで、ダルビッシュ有という不世出の才能がアメリカ球界にやってくる「その日」を期待する一文を書いている。普段プロ野球に全く関心を寄せない小生だが、野球を通してみる日米社会の大きな違いに思わず引き込まれて読んでしまった。ダルビッシュ選手がアメリカのメジャーに参戦するときの参考までにと言うことで、いろんなアドバイスを書いているのだが、「そういう事か、とか成程ね、」思うことが多々ある。

ストライクゾーンの違いへの対応、イラン人の血統を受け継いでいることなどをどのように考えるか、何れも面白いのだが省略する。野球だけの事でないので感心したのは次の件。即ちこれまでの日本人プレイヤーがなかなか出来なかった、「チーム内でのリーダーシップ」を発揮してほしいと言っている。更に、アメリカでは先輩後輩のカルチャーもないので、リーダーシップとは「上が下から敬意を受け取る」ものではなく、「上から下へサポートを与える」という方向の違うコミュニケーションがハッキリ必要とされます。と言っている事だ。

よく政治家のリーダーシップが云々されるが、リーダーシップとはそのようなコミュニケーション能力と見るべきなのかと感心した。多分日本では大多数の人が好感を抱くであろうイチロー選手は、自己流が強くてチームの中でリーダーシップを発揮する事はうまくいっていない嫌いもあるらしい。確かに日本人は、チームの中でリーダーシップを発揮できる人材は少ないかもしれない。勿論学校教育の場でも、リーダーシップについてきちんとした方針は無いだろう。小生も難しく考えすぎていた。冷泉氏の言うように、もっと簡単に考えるべきかもしれない。

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