2011年7月12日火曜日

梅雨が明けた 「五竜岳」に


先週土曜日の8日、プールから帰って馴染みの整体に行ってマッサージを受ける。このお兄さんと来週剣岳に一緒する予定だったのだが、お兄さんどうしても標高700mの馬場島から2200mを一気に駆け上り、その日のうちに剣山荘迄行きたいとの事で、一緒に行くのは諦める。この話が週の初めにあったので、ならば仕方がないと、やはり一人で室堂経由のゆっくりした計画を組み直した。既に宿の手配から列車の手配も終わり、昨夜計画書を婆さんに渡した時、この話をしたら「そんな元気な人と一緒じゃそちらさんにも迷惑だろうからその方が良いよ。」と賛意を示してくれたのでこちらもほっとした。

山で老人の一人歩きは危険と言われるが、考えてみると足の揃わないパーティーで、リーダーシップの無いパーティーに巻き込まれた老人の方が余程危険だ。一昨年のトムラウシ、2006年10月の白馬の事故なんかが典型だが、何れもベテランのリーダーが同行していながら年寄りが命を落としている。エキスパートと称される片山右京氏が同行していながら富士山で命を落とした青年。何れも不幸な話だし、自分にその気がないとは言わないが、自分より能力的に低い人の事を慮れない人間はリーダーになってはいけないし、パーティーを組む際は互いに自己責任を確認する必要があるだろう。

そう言った意味で、この歳になると、「一緒に山に行こう」と言ってくれる人間は少なくなって当たり前だ。てな事で結局剣も単独行とあいなってしまった訳だが、婆さんも言うようにその方が幾分安心かもしれない。そんな事を思いながら9日の14時頃ネットで確認すると「関東甲信越地方梅雨明け」のニュースが流れている。見ているうちに明日の日曜日10日がプールの定休日である事思い出した。そして来週に備えて少しトレーニングを、と思って急に山に行く事を思いついた。目的地は昨年途中で断念した北アルプス五竜岳である。前からいろいろ研究していたので、白馬五竜のスキー場からの登山ならこれからでも間に合う筈だ。

思いついてすぐ白馬五竜山麓の宿泊を手配すると、明日この近くで高校生のサッカー大会があるらしく、全然宿が手配出来ない。已む無く長野泊まりにする事に決めて家に電話を入れる。「梅雨が明けたらしいので明日山に行くよ」と言うと、婆さんが「来週本格的登山だから、トレーニングには丁度いいかもね、何を準備すればいいの?」と極めて明るい返事。「いや~、長野方面に一寸行くだけだから、何も要らないよ」と言う事で慌てて家に帰り、何処に行くとも言わずに家を出てしまう。山に行く時こんなに曖昧な形で出発するのは珍しい。「行く先なんかは出先から電話をするけど、ひょっとすると帰りは月曜日になるかもしれない。」とだけは言っておく。

曖昧な形で家を出た天罰で、東京駅で16:44発の電車に間に合うが、これが何と1時間15分も遅れ、長野に着いたらもう7時過ぎ。観光案内所は既にクローズで、しかも雨が降りしきっている。駅の脇にメトロポリタンホテルがあるのは分かっているが高いので敬遠、目の前の安そうなホテルは2軒とも休業状態。どうしようかとメトロポリタンホテルの庇の下を歩くと、少し先に東横インの看板があった。入ってみると5480円の部屋が空いていたのでチェックイン。

10日の朝起きると幸い晴れている。ホテルのサラダに味噌汁、桜えびと錦糸卵と人参だけのちらしずしで朝飯を済ませ、長野駅で昼飯用の助六寿司350円とゼリーなどを買い込んで8:20のバスで白馬五竜に。神城の駅から自宅に電話をするが繋がらない。仕方がないので、そのまま遠見尾根スキー場から登山を始める。天気は梅雨の様相で余りよくはない。但し日曜なので途中まで家族連れは沢山いるが、2000mを過ぎると登山客は一人も見当たらない。しかも雨が盛んに降ってくる。しかし雨のお陰で熱中症にならずゆっくり登山が出来る。

5時間近く掛かって五竜山荘の到着、3時なってから家に電話をして(山はドコモに限るようだ)「山に来てしまったので、帰りは明日。」と伝えると「分かりました。お気をつけて。」との事。山荘の宿泊客はたった2名。ビールのサービスまであり、山小屋とは思えないくらい贅沢な夜を過ごす事になった。明けると昨日は雨の予想が出てはいたが晴れ。降られはしなかったが早朝の山頂は全く眺望がきかず残念ではあった。むしろ復路の熱射病対策の方が重大問題と思った。しかし、予て念願にしていた山に行けた事、剣岳登山の良いトレーニングになったのは間違いない。帰宅して食事の後、恒例の映写会で「結局どこに行ってきたの?」と問われて説明をする。

「写真で見る限りはそんなに天気で苦労したようには思えないけど、五竜の五の字を外して写真を撮るなんて、爺さん少しぼけてきたようよ。」とのご託宣。

登山の詳細は下記をご参照願います。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-121312.html
senkawaが私のハンドルネームです。

2 件のコメント:

nonbiri さんのコメント...

爺さん、こんにちは~

ヤマレコを覗きました。こんなサイトがあるのですね。
写真をずっと眺めて、登山気分を味わいました。
いいですね。ひとりで登山出来るなんて羨ましい。

senkawa爺 さんのコメント...

nonbiriさん
コメントをありがとうございます。
>ヤマレコを覗きました。こんなサイトがあるのですね。
そうなんです。私も昨年山で同宿になった人から教わりました。
参考になる情報が満載ですし、自分でも少しは他人様の為にもなるように、との思いで写真を撮ったり、文を書いています。