2011年5月24日火曜日

事故進行中を忘れていませんか?

震災から2カ月以上も経つので、さすがに宮城以北の地震や津波の被災地では徐々に復興の兆しが見えてきているようで、そんな報道に接すると何かほっとしたものを覚えるこの頃だ。しかし、福島を中心とする原発災害に関しては、放射能の漏えいが一時に比べれば遥かに少なくなっているとは言え、被害が拡大する一方である。いや被害の実感がと言った方が正しいのかもしれない。放射能なるものが桁数を聞いてもピンとこない程大量に拡散したのは、先先月半ばの大爆発の時らしい事も、やっと理解できるようになってきた。

以前からこのブログにも「俺は余り気にしない」と強がりを書いてきた。がしかし、段々理解が進み、東京と言えど放射能の影響はかなりあると想像できるようになると、怖くなっているのを否定できない。まして子供さんを持つ福島のお母さん連中が、東電・政府・行政に向かって「なんとかしてよ!」と強い調子で声を張り上げるのはいやな程理解できる。一方あまり理解できないのは、最近盛んになってきた事故原因の犯人探しの方である。確かに原発事故は100%人災である事は言うまでもない。政府や東電から出される情報が、too little,too lateであり、諸外国からのアドバイスや情報については未だに公開されていないものが沢山あるのも想像に難くない。

しかし何と言っても「原発事故対策本部長」は総理大臣であり、最終的には彼が全ての責任を取らざるを得ないのは誰もが承知の事ではないか。現総理閣下もかなりユニークな方だから、どんな形で責任をお取りになるかは分からない。自民党の石破政調会長が日曜日のテレビ番組で「菅さんに言いたい事(不手際)はトラック3台分もある」と発言したが、誰もがそう思っているのだろう。では事故収束に関わっているその他大勢の不手際はどうなるのだろう?少し冷静に考えれば、これだけの前代未聞の大事故だから、関わっている人間総てがてんやわんやの大騒ぎで、それぞれ少しずつまともな事が出来ていないようにも思えてくる。

被害者に取っては酷な話だが、誰が総責任者になっていたとしても大差はなかったのかもしれない。ただ、連休前後から報道や政治の世界では、官邸の判断ミスを非難する声が日を追って高くなっている。今更そんな事を言われても誰も救われないし、小生も同感、菅氏がご粗末であるのはもう分かった。しかし皆少し冷静になって、いま本当に「俺が総理を替ってやる」と腹のある人間が居るなら、小沢派でもいいし野党でもいい、「福島原発対策を今後こう進めます」と明かにしてほしいものだ。復興計画なんかその後の話しだろう。

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