2011年5月16日月曜日

自然治癒力

一昨日の土曜日に高校の東京同窓会事務局が主催の講演を聞きに行った。講師は二人。演題は「私の歩んでいる形成外科・美容外科というアート」と「カーネギー~ウラジロ ホルン放浪記」二人とも勿論我が後輩のお医者さんとミュージシャン。共に普段全く無縁の世界の話しであったが、大変興味深く聴く事が出来た。

形成外科の先生はアメリカでも医師免許を取得されて活躍されてきた方で、日本では神業とテレビで紹介される程の技量をお持ちらしい。乳がんの手術で乳房を失われた患者さんに、身体の他の部位の脂肪を切り取って胸に移植し、回復を図る事例等、へ~とびっくりするような事を沢山スライド付きで示された。正直なところ、話しは大変興味深いのだが、気が小さいので写真の方は見ていて少し気持ちが悪くなってしまった。元々お医者さんになれるほど頭が良くないから心配は無いのだが、俺はとても医者にはなれんな、と思った次第。

ホルン奏者の方も日本で屈指の人材らしい。高校吹奏楽部に在籍した当時、ひょんなきっかけで東京の音楽大の先生に見いだされ、何となくホルン奏者になってしまったようだ。実演もあったのだが、元来ホルンと言う楽器はラッパの出口に右手を突っ込んで音階を調節するもので(現在の楽器は指先で動かすキーみたいものが付いている)、結構難しく内外を問わずいろんなオーケストラから出演要請が多いものらしい。二人とも大勢の人に癒しをもたらし大いに社会を潤している訳で、結構な職業だと思った。

特に印象に残ったのは、お医者さんの話である。彼の場合高校時代から生物班に所属して、蝶の採集に打ち込んだ時期があったらしい。要するに若い時から自然界に生息する動物の美しさに魅せられていたとの事。その理念の延長で、現在も美を追求しているとの事。時にはベトちゃんドクちゃんの切り離しのように、非常に高度な技術を要するオペをする一方、さすがに具体名は無いが、芸能人などの美容整形なんかを相当こなしているようだった。

その彼が自分の生業とは矛盾するような言ったのだ、即ち人間の自然治癒力には驚異的なものがある。特に生物に限らず科学者の中には神の存在を信じると発言する人は多い。彼も同じで、「現在非常に発達している骨折した時の整形外科の治療法に、金属ボルトをうまく利用すると翌日からでも直ぐ動けるようにうまく繋ぐ手法がある。しかしこれは骨の接合が決してうまくいかない。ボルトを外せば又すぐ折れると教わった。」てな話から人間はあるがままの形を大切に、と自然治癒力の話をした。

時間が掛かっても、それを信じて気長に努力することが必要らしい。意を強くしたと言うか、大いに賛同したい。医者には定期的に見てもらう年齢にはなっているが、薬の処方も出来る限り最低にしてもらっている。何事も即席にうまくいく事は少ないが、努力して時間をかければ機能体力の改善は図る事が可能かもしれない。

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