2011年4月18日月曜日

復元力と言えば聞こえはいいが

16日(土)午後に行われたニコニコ動画「小沢一郎とフツーの市民 座談会」を見た。小沢一郎と言えども政権からボイコットされていると、殆ど1次情報は入手できないと実感した。福島原発の現状認識については、最悪の事態を本当に恐れているようで、殆ど小生と変わらない。即ち、破損が生じている原子炉を修繕しない限り、放射線の放出が続きチェルノブイリ以上に悲惨な状況が出現しかねないと本気で心配しているようだ。但し可能性については何の情報も無いようだ。

なんだかんだ言っても政治の世界で置いてけぼりを食っているので、当事者から最新の情報は入手できず、側近が集めた公開情報からだけの判断をせざるを得ないのだろう。当然一市民と同じような判断になってしまう。見計らった訳でもあるまいが、この配信直後の昨日に、東電が事故収束のロードマップを発表した。2段階のステージに分けてはいるが、9か月後には原発を安定化させる事が出来ると示唆している。

この発表が大本営発表でなくて真実であること信じたいのだが、どうも眉に唾をつけたくなってしまう。小沢が言うように放射線放出を止めない限り、現段階での安定化への工程表なんか、どう考えても気休めにしか過ぎないのではなかろうか。政府には小沢が知り得ない1次情報は腐るほどあるのだろう。それを十分吟味したうえで、確信を持って東電に発表させたものであればいいのだが、何か態々日曜日に発表させるのもインチキくさく思えてしまう。東電もしたたかな会社だ。

昨日やっと会長が責任の取り方についてコメントをしたが、数週前からは東電のテレビCMはジャンジャン流れている。1カ月近く口ごもっていた原発被災者への補償仮払いの発表も先週の事だ。学者は補償総額を数兆円かもしれないとコメントするが、当面の支出は500億円。対象世帯が約5万世帯、首都圏の主なテレビ局は5社、恐らく1社1億以上のCM良が支払われているに違いない。新聞もテレビも東電の悪口はあまり書ける筈が無い。

テレビ番組や新聞にも、震災後の復興についてのコメントが多くなっている。必ず出てくるのは、市民が生活を見直してエネルギー消費を抑えるべきとの意見。なんでかくも早々に消費者へのつけ回しが強調されるのだろう。蓮舫の肩を持ちたくないが、石原都知事の意見には前から違和感を持っている。戦後奇跡の復興を遂げた日本の復元力は定評があるが、今回はあまり復元してほしくない問題が多々ある筈で、電力供給なんかは根本から見直すべきだ。

日本の電気料金しか知らないから、電力供給体制について疑問を感じない人が圧倒的だろう。しかし、計画停電なんて事が何故起きるのか、根本に立ち返って考える必要がある。ヒラリーが態々来るくらいだからアメリカは日本に原発を止められては困るだろう。寺島実郎氏迄が、この事故の教訓を生かして日本の原子力技術を海外にもっと売り込むべき、と言っている。東電役員が何人か辞めて幕引きとし、根本にある原子力政策と電力供給体制を維持する事を前提の話だろう。果たしてそれでいいのだろうか?

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